大麻に含まれる複数の化合物が相乗的な抗癌作用を発揮するとの研究結果
2010年1月21日 - アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ
カリフォルニア州サンフランシスコ: ジャーナル "Molecular Cancer Therapeutics (癌の分子的な治療学)" に掲載された臨床試験データによると、大麻の活性化合物は癌細胞に対して相乗的な増殖抑制作用を持ち、悪性細胞の死滅を引き起こす事が判明した。
カリフォルニア大学 "Pacific Medical Center Research Institute (太平洋医療センター研究所)" の研究者らは、精神活性作用のないカナビディオールの投与がグリア芽腫(脳腫瘍)の細胞に対する THC の持つ抗ガン作用を増強するかどうかについての試験を行った。
彼らの報告によれば、これらのカナビノイドの組み合わせは、それぞれを単体で投与した場合と比べて大幅に抗ガン作用を示していた。「我々は THC の持つ癌細胞の増殖の抑制および細胞周期停止の促進、そしてアポトーシス(プログラムされた細胞死)促進作用について、カナビディオールがこれらを増強する能力を持っている事を発見した」と彼らは報告している。
研究者らの結論は次の通りである。「THC とカナビディオールはそれぞれ独立の経路からグリア芽腫に到達し、癌細胞の増殖を抑制、浸潤、そして細胞死を誘導する事ができる。これら別個の物質が組み合わさる事により、結果として二つの経路が一点に収束し、幾つかの種類の表現型を持つ癌細胞について併用治療効果を得られるのであると我々は仮定していた。今回の研究により、この事が裏付けられた。」
2008年にジャーナル "Cancer Research (癌研究)" に掲載された科学論文によれば、カナビノイド類には様々な種類の癌細胞に対して増殖を抑制する作用を持つ事が報告されていた。これには脳腫瘍、前立腺癌、乳癌、肺癌、皮膚癌、膵臓癌、リンパ腫が含まれている。
より詳しい情報については、NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせ下さい。研究結果の全文は "Cannabidiol enhances the inhibitory effects of Delta-9-tetrahydrocannabinol on human glioblastoma cell proliferation and survival (デルタ-9-テトラヒドロカナビノールの持つヒトの脳腫瘍細胞の増殖および生存に対しての抑制作用をカナビディオールが促進させる)" の題でジャーナル "Molecular Cancer Therapeutics" に掲載されます。
Source: NORML NEWS
Marijuana Compounds Possess Synergistic Anti-Cancer Effects, Study Says
January 21, 2010 - San Francisco, CA, USA
翻訳 by PHO
[※THC編集部注]本記事は今年2月にPHOさんに翻訳して頂きながら、未掲載になっていました。PHOさんごめんなさい。
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