●無害論は、政府の有害論が生み出した
1960年代に入りヒッピーの時代になると、大麻を実際に体験した若者の中から政府の言っていることが全くでたらめであると語られるようになった。殺人鬼や精神異常になったりしないではないか。中毒も耐性もないではないか。逆に、大麻を吸うと心が豊かになっていいことがたくさんある。「大麻を吸おう」 というメッセージがエッセイやロック音楽にのって世界中に伝えられた。
しかし、当然のことながら、こうした主張は、政府側が喧伝してきた極端に誇張された大麻の悪害に対してのアンチテーゼとして政治的な意味も帯びていた。
「無害論」は、政府の「有害論」のコントラストとして出てきたもので、いわば、無害論は、政府の有害論が必然的に生み出したものだった。
精神病についても、「大麻で精神病になることはない」 という主張は、精神異常の殺人鬼などには到底ならないというコントラストから出てきたものだ。
当然のことながら、お茶と同じ程度に全く精神的影響がないと言っていたわけではなく、セットやセッティングが悪ければ、ネガティブな影響もあることは誰でも知っていた。
破滅を終わらせるための第1宣言、アレン・ギンズバーグ (1966)
Bob Dylan - Everybody Must Get Stoned (1966)
Source: カナビス・スタディハウス カナビス無害論の罠
Pub date: Sep 3, 2006
Author: Dau, Cannabis Study House
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