大麻を使用していた統合失調症患者はより高い認知能力を持っているとの研究結果

投稿日時 2010-06-21 | カテゴリ: NORML News

大麻を使用していた統合失調症患者はより高い認知能力を持っているとの研究結果
2010年6月3日 - アメリカ合衆国ニューヨーク州マンハセット

ニューヨーク州マンハセット: 大麻を喫煙していた統合失調症患者は、そうでない患者と比べて高い水準の認知能力を持っていることが、ジャーナル"Schizophrenia Research (統合失調症研究)" に発表された臨床試験データにより判った。

ファインシュタイン医学研究所、ニューヨークのズッカー・ヒルサイド病院、アルバート・アインシュタイン医科大学、そしてプリンストン大学の研究者らは175名の大麻喫煙経験のある統合失調症患者の持つ神経認知機能を、違法ドラッグの経験が全くない280名の患者と比較した。
その結果は、大麻を使用していた者はそうでない者と比べて情報処理速度、発話流暢性、言語学習および記憶について「明らかに高い能力」を示す事を示唆していた。大麻の使用者はまた GAF スコア (Global Assessment of Functioning; 機能の全体的評定尺度。訳注:http://www.ieji.org/archive/gaf-scale.htm このページを参照) において高い水準を示していた。

著者らは次のように述べている。「この研究結果からは、大麻を使用していたSZ患者ら (schizophrenia; 統合失調症) は情報処理速度および発話能力において高い水準を示す事が示唆される。これらのデータは CUD(cannabis use disorders; 大麻使用障害)の履歴を持つ統合失調症患者はそれを併発していない者よりも認知能力の欠損の度合いがより少ない事を示した過去の報告とも一致している。ただしこの結果からはCUDとSZを併発している患者は症候学の観点においては特に違いが見られないと考える事もできる。」

患者らの認知機能に違いがある理由は、大麻の使用者はそうでない者と比べて積極的な社会的交流を持っている傾向が高いためであると、研究者らはこのように推測した。

彼らの結論は次の通りである。「この研究結果によればCUDを併発しているSZ患者らはSZの中で高機能サブグループを成している事が判る。この関係性の持つ性質を明らかにするために、将来より大規模な研究を行う必要がある。」

より詳しい情報については、NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org> にお問い合わせ下さい。研究報告の全文は "Cannabis use disorders in schizophrenia: Effects on cognition and symptoms (統合失調症患者における大麻使用障害: 認知機能および症状に関する影響)" の表題でSchizophrenia Research 誌に掲載されます。

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Source: NORML NEWS
Marijuana Use Associated With Higher Functioning In Schizophrenics, Study Says
June 3, 2010 - Manhasset, NY, USA

翻訳とコメント by PHO
これまで大麻は統合失調症の原因になると散々言われてきたはずだ。私はそれを嘘だと思っており、その証拠に例えばインドやジャマイカやオランダに統合失調症患者が多いというデータは見たことが無いのだが、その点で今回の研究結果は特に興味深いものである。

それにしても CUD。大麻使用障害。これはまた…… 高度に政治的な概念なのではないか。詳しくは知らないのでコメントは差し控えたいが…





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