KYさん裁判第4回公判報告

投稿日時 2010-07-09 | カテゴリ: KYさん事件簿

7月6日のKYさん裁判第4回公判、傍聴しました。報告が遅くてすいません。
冒頭、弁護側から新たにIOMの抜粋と全文のPDFが書証として出しましたが、検察が不同意としました。裁判官が、原弁護士に、IOM全文のPDFを「ブツ」としてではどうか、といった話をし、「ブツ」として採用されました。
「書証」として採用された場合、弁論に引用可能なのに対し、「ブツ」の場合、そのような文献があるという事実を示すだけなのだそうです。・・・原弁護士に説明してもらったのですが、私はよく理解できてないかも。「書証」と「ブツ」の違いについて説明してくれる人、募集中。

IOM報告の全文PDFがブツとして片付いたあと、被告人質問が始まりました。
KYさんは、かつて、自殺を試みたが死にきれなかったことや、大麻を知って自分を受け入れることができるようになったことなど、弁護士の問いに答えるかたちで、思いを語りました。大麻で暴力的になったりもしないこと、大麻を吸うのは自分を知るためであって、嗜好品ではないこと。大麻は自分の生き方にとって必需品であること。
それと、KYさんは、大麻に親和できる人とできない人がいるから、大麻は規制はしたほうがいいと考えていること、但しその規制が刑事罰というのは過剰であることなどを話しました。

KYさんは、自らの思いを、懸命に語っていました。時には身振りを交えて、裁判官や、検察官に、訴えるように語っていました。それは祈りのようにも聞こえました。大麻を使う私のどこが悪いのか説明してほしい。KYさんの思いは、まっすぐでした。

弁護士の尋問が終わり、検察官の尋問になりました。廣田検察官は、なぜタイに行って買ったのか、国内で買えばいいではないか、なぜ湿布薬に隠したのか、捕まるつもりなら隠さなくていいではないか、など、実にくだらないこと言って、KYさんは的確な説明をしました。

廣田検察官は、大麻取締法の問題点を主張するなら、立法府を相手にするのが筋だろう、というようなことを言いました。「法律はどこで作ってるんですか?」とか、「勉強して下さい」とか、「三権分立」とか、言いました。KYさんは、それについても反論を加えていました。あまりに人を見下した廣田検察官の態度に、KYさんは「それは私を侮辱しているんですか?」と言葉を返す場面もありました。

廣田検察官の言葉には、聞き捨てならぬ点があり、一審判決後に記録を検証し、検事総長宛に抗議文を出したいと思っています。

最後に、KYさんは、大麻には医療や産業などいろいろな可能性があること、大麻の正しいところを知ってほしいことを話し、締め括りました。

KYさんは、率直に、自らの思いを語っていたと思います。その思いは、傍聴する者の多くに届いたと思います。しかし、検察官と裁判官には・・・

次回、第5回公判は、論告10分、弁論20分、被告人の最終意見陳述10分の予定です。

KY裁判第5回公判:
8月24日(火):午前10時~ 東京地裁801号法廷


公判後、近くのカフェテラスで私は生ビールを飲みます。すいません、KYさん。


 

※白坂が証言した前回とこの被告人質問の回、公判記録を書き起こして公開します。しばしお待ち下さい。





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