国選弁護人が決まったとの通知が大阪高裁からあり、挨拶の電話を入れた際、先生の第一声は「やっても無駄ですよ」であった。大麻取締法が憲法違反であるという主張は既に判例があり、違憲ではないと確定しているから。
だが、私は判例の前提が既に古いことなどを話し、判例当時はどうあれ、現時点では明らかに憲法違反の状態にあると自説を述べた。先生は「主張するだけはしたいってことですね」と、電話口で乗り気なさ気であった。
その後、資料として手に入れたい大麻裁判の判例などがあり、先生にお願いしたところ、まったく嫌な気配もなく、即日のうちにファックスで入れて下さった。
プライベートでのご旅行の途上、時間を割いてご面会頂き、短い時間ではあったけれど、真意をお伝えすることができた。
下記、弁護人が提出して下さった補充書です。
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平成16年(う)第57号大麻取締法違反被告事件
被告人 白坂和彦
控 訴 趣 意 補 充 書
平成16年3月18日
大阪高等裁判所第4刑事部 御中
弁護人弁護士 葛 井 重 雄
1. 被告人は最近に至って、息子が入院し、妻が過労で倒れたため、本日出廷ができませんが、去る3月7日長野県松本市のホテルで弁護人は被告人と面談し、被告人から大麻草(THC)の薬理と、それを必要とする患者が多くいること、せめて大麻の薬物利用のための栽培は是非認めてもらいたいとの熱意ある主張を聞きましたので、法廷に出廷できない被告人のために、控訴の趣意補充として、以下に論述する。
2. 大麻製剤はある種の疾患には有効であることは広く認められている。THC製剤のドロビナールとナビロンは外国ではがん治療などに市販されている。(原審記録505丁)
3. しかるにわが国では、その種の製剤は製造は元より販売もされていない。そのことは、最新の薬剤の総覧である「実践服薬説明ガイド第2版」や「疾患と治療薬・改訂第5版」を総覧してもTHC製剤に分類されるものには一切の記載がないので、わが国では発売も製造もされていないことは明らかである。
4. 前出の原審記録505頁から510頁にはホジキンス病の患者やエイズ患者等に対して有効な医療効果が認められるということである。従ってこのようにTHCを求める患者が存在する限りせめて、大麻草の栽培ぐらいは認める必要がある。
5. わが国の製薬会社では国内で大麻の医療用栽培の許可を受けている会社は存在しないし、国内で研究するところもない。聞くところによると、外国に研究を委託しているのが実情だそうである。容易に大麻栽培を認めない厚生労働省の態度にも問題があるが、大麻取締法の厳罰主義が、これら研究を阻害している。
6. 薬として利用したい患者の要求に応じられない大麻取締法は、国民の生存権を侵す憲法違反であり、この点も十分配慮していただきたい。
以上
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先生、最初は(やっぱり国選ってのは・・)と、正直言って、ほんの少しだけ、ちょっと、かすかに、確かに、思いました。
が、今はそんなことはありません。
お会いできて、お話しできて、本当に良かったと思っています。
補充書まで出して頂いて、ありがとうございました。
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