カリフォルニア:大麻所持罪による逮捕者は黒人およびラテン系アメリカ人に偏っているとの調査結果 -NAACP カリフォルニア支部は大麻合法化条例案を支持

投稿日時 2010-07-24 | カテゴリ: NORML News

カリフォルニア:大麻所持罪による逮捕者は黒人およびラテン系アメリカ人に偏っているとの調査結果 -NAACP カリフォルニア支部は大麻合法化条例案を支持
2010年7月1日 - アメリカ合衆国カリフォルニア州サクラメント

カリフォルニア州サクラメント: ニューヨーク市立大学クイーンズ・カレッジおよびヴァージニア州シェナンドア大学の研究者らが今週発表したレポートによれば、カリフォルニア州の中で面積の広い上位25の郡で、アフリカ系アメリカ人は白人よりも二倍以上の割合で大麻の所持により逮捕されている。

アフリカ系アメリカ人は白人よりも大麻の使用率が低いにもかかわらず、その所持のために警察に逮捕される割合は遥かに高いのである。そのように著者らは報告している。
「黒人の若者は白人の若者よりも大麻の使用率が低い。だが、カリフォルニア州の中で面積の広い25の郡において2004年から2008年の間に大麻所持で逮捕された者は、白人よりも黒人の方が遥かに多かった。その違いは典型的には二倍、三倍、場合によっては四倍の割合であった」ことを彼らは発見している。「大麻の単純所持により逮捕された黒人の数は、それぞれの郡の人口における黒人の割合には全く比例していなかった。これら25の郡において黒人の数は全体の7%だが、大麻所持の逮捕者数全体に対する黒人の数は 20% であった。」

2008年の時点でのカリフォルニア州では、アフリカ系アメリカ人とラテン系アメリカ人は人口全体の44%を占めていた。しかし大麻所持による逮捕者数に対しては、彼らは全体の56%を構成していた。逮捕者のうち推定80%が29歳未満であった。

このレポートに言及してNAACP (全米有色人種地位向上協会) カリフォルニア支部の首脳陣は、火曜、条例改正案第19号に対する「無条件支持」を表明した。「2010年度・大麻の規制、コントロールおよび課税に関する計画」と名付けられたこの改正案は、21歳以上の成人に大麻の個人的な所持と栽培を認めるというものだ。この条例では、成人を対象とした大麻の小売および商業生産について地方自治体が認可する事も可能になる。個人的な大麻の栽培、および非営利での大麻の売買は、この条例の下では課税されない。

NAACPカリフォルニア州協議会会長アリス・ハフマンは次のように述べた。
「大麻関連法が有色人種の若者に対し不公正に適用されている事については、私たちは経験的な証拠を持っている。... 私たちはますます多くの医療専門家、労働組合、捜査当局、地方自治体、そして国民のおよそ56%と共に、成人による大麻の使用が非罰化されるべき時が来たことを主張する。」

California Black Chamber of Commerce (カリフォルニア黒人商工会) の議長であるオブリ・ストーンも、条例案を支持して次のように語る。
「この条例案が成立すれば、地方政府は法執行機関に割り当てられているリソースを他の公共サービスに割けるようになるだろう。」

2008年度にカリフォルニア警察は61,000名以上の大麻所持者を軽犯罪として逮捕している。それに加えて17,000名以上を大麻に関する重罪で逮捕しており、この分類にはたった一株の大麻の個人的栽培さえ含まれている。

レポートの全文は、"Targeting Blacks for Marijuana: Possession Arrests for African Americans in California, 2004-08 (黒人を大麻犯罪の標的に:2004年度から2008年度の間に大麻所持により逮捕されたカリフォルニアのアフリカ系アメリカ人)" の表題でhttp://www.drugpolicy.org/docUploads/Targeting_Blacks_for_Marijuana_06_29_10.pdfに公開されています。

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Source: NORML NEWS
California: Blacks, Latinos Arrested Disproportionately For Marijuana Possession Offenses, Study Says -- California Chapter of the NAACP Endorses Marijuana Legalization Ballot Measure
July 1, 2010 - Sacramento, CA, USA

翻訳とコメント by PHO
アメリカにおける白人と黒人の間の確執は未だ解消されたとは言い難く、特に警官による黒人への暴力事件の多さと凄惨さには驚くばかりである。
[例1: http://blogs.yahoo.co.jp/sw21akira/46534869.html]
[例2: http://blog.livedoor.jp/sistah/archives/399637.html]

そもそも警察権力とは国家における制度化・正当化された暴力である。その正当化の根拠は法律であって、国家はその法律に従い、特定の条件を満した個人に対して、特定の方法で暴力を行使する事ができる。今回のレポートにあるように、国家は暴力を恣意的に運用することで、事実上、特定の集団を差別、弾圧する事が可能だ。大麻所持罪はその道具にされているのだ。ある特定の個人に対して法律を適用するかしないかを決める事は法執行機関に任されているのであって、法そのもので定められるものではないからである。この事を前提とする時、大麻取締法のように、罪もない大勢の人々を犯罪者として扱うための法律が多く存在すればするほど警察や検察などに与えられる裁量権が増して行き、従って彼らの権力が限りなく増大する事が言える。警察国家への道を歩みたくないのであれば、刑法犯の範囲をみだりに広げてはならず、大麻取締法などは廃止されなければならない。





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