大麻に関する研究は20,000を超えている。研究者がまだ知らないことって何?

投稿日時 2010-08-11 | カテゴリ: NORML News

大麻に関する研究は20,000を超えている。研究者がまだ知らないことって何?
2010年7月1日 ポール・アルメンターノ(Paul Armentano)

USニュース&ワールドレポート(US News & World Report)は最近、大麻科学の主題を詳細に調査し、ここここの主題について一対の記事を発行した。

発行前、多岐にわたって私と話した著者は、研究者たちが現在アルツハイマー病や、いわゆるスーパーバグと呼ばれるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を含めた、多くの病状に対する大麻使用の評価をしていることに注目しているが、いずれの報告にも特に新しい話題はない。
その報告で引用されたのはコロンビア大学の研究者であるマーガレット・ハニー(Margaret Haney)のものである。以前、私はハニーによる大麻を使用した臨床研究について書いたことがある。特に、彼女は吸い込まれた大麻が、エイズ患者の日々のカロリー摂取や体重を増すと結論付けた2007年の臨床試験の主要著者である。これらの患者に関して、口径THC (ドロナビノール(Dronabinol)で知られているマリノール(Marinol))よりも非常に効果的であったのである。更に、被験者の大麻使用はとても緩やかなもので、彼らの認識機能を損なうことはなかったと、この研究は報告した。

しかし、USニュース&ワールドレポートのハニーのコメントは、よく言っても熱意に欠けるものだった。

「私は大麻反対派でも、賛成派でもありません。私は大麻を理解したいだけなのです。」彼女は、州の誤った考えによる医療大麻の合法化に不満を示す。科学者の知らないことがたくさんあると彼女はいう。

ハニーのように、結論を急がないということはよくあることだ。一見すると、それは納得のいくことのように思う。結局のところ、私たちはみな大麻と人体との間にある相互作用をもっと理解したいのである。しかし、適切な文脈の中に置かれると、この意見はやや目くらまし以上のもののようだ。 理由は以下の通りだ。

大麻は、すでに地球上でもっとも研究された植物なのだ。ほぼ間違いなく、大麻は人類に知られている治療に有効な物質の中でもっとも調査されているものの一つである。今までのところ、大麻に関する科学的出版物やその有効化合物において20,000以上の研究や論評があり、その合計は、2009年に2,700以上の大麻について個別に出版された論文と、ちょうど今年に出版されたその他の900の論文を含む(検索エンジン・パブメド(PubMed)のキーワード検索による)。

そして、私たちはこれらの20,000を超える研究から何を学んできたのだろう。当然だが、多くのことを学んできたのである。例えば、大麻とその有効成分が治療化合物として、比類なく安全で効果的なものであることを私たちは知っている。多くの処方箋や店頭で手に入る薬と違い、カンナビノイドは人の細胞や臓器にはほとんど無毒であり、使用者が過剰摂取により死に至ることは不可能である。アヘンとは異なり、カンナビノイドは中枢神経系の働きを弱めることはなく、結果として、カンナビノイドは事実上この上なく安全な側面を持つのである。実際に、カナダ医師会誌(Canadian Medical Association Journal-CMAJ)で発表された2008年のメタ分析では、30年以上にわたる検査使用のなかで、大麻を原料とした薬品は事実上深刻な副作用とは結びつかなかったと報告している。

大麻は60を超える化合物を含んでおり、独特の治療的な性質を持つこともわかっている。これらはTHC、THCV、CBD、THCA、CBCやCBGなどを含んでいる。実際に、ラファエル・メコーラム(Raphael Mechoulam)らによる最近の調査では、30近くの個別の治療的効能を確認している。

それらはTHC以外のカンナビノイドの中に、抗癌、抗糖尿病、神経保護、発作に対する特性を含む。ドイツの研究者による最新の調査では、2005年以来、カンナビノイドの安全性と有効性を調べる対照研究は37あり、参加した被験者は合計で2,563人に上ることを報告している。それに比べて、連邦食品医薬品局(FDA)では、はるかに少ない被験者で、はるかに少ない臨床試験を通過した薬品が承認されている。

最後に、西洋文明が治療の手段として、あるいは気晴らしのために、何千年もの間大麻を使い続けてきたということを我々は知っている。それは、個々の使用者や社会の両方において、比較的副作用が少ないのである。実際に、アルコール、ニコチン、アヘンを含むその他のドラッグと、大麻使用での健康面と社会的な影響を比較することを、世界保健機構(WHO)は専門家のチームに依頼している。両方のドラッグに関連した害を数量化した後、研究者はこう結論付けた。「概して、大麻に関連するリスクのほとんどは取るに足らないもので、数量は大きいものではない。」総計においては、大麻に関連するリスクが健康問題にはならないと考えられるのだ。
アルコールやタバコによっておこるリスクと比べ釣合のとれたものである。使用のパターンを明らかにしてみると、欧米社会において、現在アルコールやタバコによって起こっている健康問題よりも、大麻が引き起こす健康問題の深刻さは些細なものなのである。

簡単に言うと、これが、私たちが大麻について知っていることなのである。少なくとも、大麻を持っている人を逮捕する習慣に終止符を打つために十分な情報であると私は思う。ハニー博士や似たような考えの人たちは、他にどんなことをさらに知りたいのだろう。そして、その情報を彼らに提供するために、あとどれくらいの研究が必要となるのだろう。そう、それは誰にも分からない。

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Source:NORML NEWS
There’s Been Over 20,000 Studies On Marijuana; What Is It That Scientists ‘Do Not Yet Know?’
July 1st, 2010 By: Paul Armentano, NORML Deputy Director

翻訳 by ゴブリン





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