ワシントンDC: 医療大麻ディスペンザリーの開設は 2011 年半ばとなる見通し
2010年8月12日 - アメリカ合衆国ワシントンDC
ワシントンDC: メイヤー・アドリアン・フェンティー市長執務室が最近発表した施行指針案によれば、コロンビア特別区においては早くとも来年の夏までは許可を得た患者であっても医療大麻を合法的に取得、所持する事は出来ない見通しだ。
七月末に施行された条例の下では、登録された患者による大麻の栽培と配布を州保健局および D.C. Alcohol Beverage Control Board (アルコール飲料監理委員会) が監督する事になっている。だが市長執務室が発表した施行指針案によると、コロンビア特別区におけるディスペンザリーおよび栽培所に対しての規制の枠組は2011 年1月まで完成しないとのこと。実際にそれらの施設が稼働するのはそれから数ヶ月後になるであろう。
コロンビア特別区における医療大麻条例においては、患者らは州保健局に登録した上で、ライセンスを受けているディスペンザリーから提供された大麻のみを合法的に所持する事ができる。
NORML所属弁護士キース・ストロープはこの遅れを次のように批判する。「この条例が特に守ろうとしている患者達は――例えば特別区に住むHIV、癌、多発性硬化症の患者達は――今まさに大麻を必要としているのであって、一年経った後ではない。これらの人々は自らを助けるための薬剤を使用したために逮捕され、投獄されるべきではない。特別区の政治家や規制当局がこの問題に取り組むまでに掛かる時間が、誰に解るというのか? なぜ患者達はこの中間状態に苦しむ必要があるのか?」
より詳しい情報については NORML 所属弁護士キース・ストロープ (202)483-5500 にお問い合わせ下さい。
Source: NORML NEWS
Washington, DC: Medical Marijuana Dispensaries Not Likely Until Mid-2011
翻訳とコメント by PHO
現時点で闘病中の患者らを待たせる事は当然褒められた事ではないが、もしこれが日本であれば、法律の施行から実際の稼働まで一年掛かる事はそれほど不思議でもないように思える。役所の動きの遅さに慣れてしまっているのだろう。
そしてそれに慣らされれば、同様に国会の動きの遅さにも慣らされてしまう。
そもそも法律は、たとえ理想的な状態にあっても国民世論のキャッシュ・サーバーに過ぎず、その内容の更新頻度は個々人の良心・信念・直感・思考に対して常に無視できない遅れを伴い…… という話を書こうと思いましたが、私の話よりももっと良い説明があるので、これを貼っておきます。
http://deztec.jp/x/05/faireal/faireal-2-26-index.html
もちろん私はこの社会が理想的なキャッシュ・サーバーであるとは思いません。理想的なキャッシュ・サーバーならば、その原情報(倫理観はその一例)が特定の集団のものに偏るはずは無いからです。倫理観なるものを官僚やマスコミが定めるのであっては、それは充分に国民世論が反映されたものとはなり得ません。しかしながら、社会というものが不完全な人間の集団から構成されたものである以上、理想的な社会を実現すること、個々人の良心と信念と直感が公平に反映された社会を実現することは、これは現実には不可能と言わざるを得ない。だから私は、10人で決めたのか一億人で決めたのかも判らない倫理観に対して個人がこれを拒絶する事を、社会が今よりも幅広く許容するという状態、私はそのような状態を望んでいるのです。社会の常識とされている事はみな低い優先度を持っているに過ぎず、個人の直感は常にそれに優先されて然るべきだと考えているのです。そうでなくては個人は皆、誰もかもが、実体もない「社会」に隷属して一生を終えなくてはならなくなってしまう。何が言いたいのか判らないかも知れません。判らなかったらごめんなさい。
|