大麻に含まれる化合物が抗不安作用を持つ事を示した最初の臨床試験

投稿日時 2010-09-30 | カテゴリ: NORML News

大麻に含まれる化合物が抗不安作用を持つ事を示した最初の臨床試験
2010年9月23日 - ブラジル、サンパウロ

ブラジル、サンパウロ: "The Journal of Psychopharmacology (精神薬理学ジャーナル)" に掲載された臨床試験データによると、精神活性作用を持たないカナビノイドの一種であるカナビディオール (CBD) は社交不安障害 (SAD) の患者が持つ不安を鎮静する効果があった。

ブラジル、サンパウロ大学の研究者らは10名の患者を対象に CBD の経口摂取による抗不安効果を二重盲検プラセボ対照試験を用いて評価した。

彼らは次のように結論した。「CBD は SAD による不安を抑制し、その効果は大脳辺縁系および旁辺縁系領域における活動に関連していた。」

この研究は、人間の病理学的な不安およびその根底の脳機能に対して CBD が有する効果を調査した最初の臨床試験である。

CBD についての過去の研究では、この物質が抗炎症作用、抗癌作用、神経防護作用およびその他の治療効果を持つ事が示されていた。

より詳しい情報については、NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせ下さい。研究結果の全文は "Neural basis of anxiolytic effects of cannabidiol (CBD) in generalized social anxiety disorder: a preliminary report (全般性社交不安障害においてカナビディオール (CBD) が有する抗不安作用の神経基盤についての仮報告)" の表題で "The Journal of Psychopharmacology (精神薬理学ジャーナル)" に掲載されます。

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Source: NORML NEWS
Pot Compound Reduces Anxiety In First Ever Clinical Trial
September 23, 2010 - Sao Paulo, Brazil

翻訳とコメント by PHO
社交不安障害 (SAD) とは、他人の前で注目を浴びる事に対して常に過剰な不安を覚え、恐怖を抱き、日常生活に支障を来すような不安障害、精神疾患である。大勢の前で何かを話す際には勿論のこと、不安が引き起こされる場面は必ずしも大人数の面前とは限らず、あまり良く知らない相手との会話、電話での受け答え、会食などへの参加、受付での何らかの手続きなど、日常生活におけるさまざまな社交的な場面が(人によって対象と程度の差はあれ)恐怖や不安の対象となる。また同時に身体症状が表れる場合が多く、主に眩暈、動悸、手足や声の震え、吐き気、赤面、口の渇きなどの症状が一般的である。殆どの場合に患者は自分の感じている不安が合理的でないものであり、異常であると認識している。これを一般に「病識を持つ」と言う。

SAD の患者は強烈な不安を感じるような場面を可能な限り避けようとするため、この事が外形的には「引きこもり」として表れる場合があるが、そうする事が不可能な場合には、社交的な場面を完全に回避しながら日常生活を送る事など事実上出来るものではなく、患者は著しい苦痛を感じながらの生活を強いられる。現在、治療には主に SSRI などの薬物投与が行われている。なお全ての「引きこもり」の原因が SAD であるわけではない。かつては英語 "Social Anxiety Disorder" の直訳として「社会不安障害」と呼ばれていたが、日本語の「社会」の持つ意味は英語の "Social" とは若干ニュアンスが異なる為か、「社交不安障害」に呼称が変更された。

何故そんなに詳しいのかって? 私自身は SAD ではなく、つまりこのような不安を常に感じるわけではありませんが、彼らと同じような状態を度々経験しているからです。例えば殆どの人にとって、コンビニに入ってレジに商品を置き、代金を支払って商品を受け取るのは何でもない事でしょう。私も普段はそうです。ですが、そのような事でさえ、まるで今からコンビニの店長に借金を申し込みに行こうとしているかのような気分になる事が時々あるのです。





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