2010年10月13日 米国カリフォルニア州 サンタクルズ
カリフォルニア州サンタクルズ:火曜日にランド薬物政策研究センター(訳注:シンクタンク)が発表した研究によれば、カリフォルニア州における大麻の合法化は、州内の大麻の商業取引におけるメキシコのドラッグ密売組織の関与を「効果的に排除する」であろうと結論づけている。
著者らは、報告書(19ページ)において以下のように結論付けている。「カリフォルニア州における大麻の合法化は、メキシコのドラッグ密売組織がメキシコ産の大麻をカリフォルニア州のマーケットに供給することによって得ている収益を効果的に排除するであろうと考えられる。・・・課税した後でも、合法的に生産された大麻はメキシコ産の非合法大麻よりも安価であり、THC量当たりでは半額以下であると見込まれる。そのため、カリフォルニア州の市場のニーズは、新たに生まれる合法的な産業によって満たされるだろう。理論上は、ドラッグ密売組織の被雇用者が合法的な大麻産業で働くことを選択することも考えられるが、異常な高収入を得たり、犯罪組織に特有な素質を備えたりすることは出来ないだろう。」
著者らはまた、メキシコのカルテルが、大麻の購入を禁じられた21歳以下のカリフォルニア州の未成年の市場に非合法大麻を供給しようとする動機がないであろうと結論づけた。著者らは以下のように述べている。「メキシコのドラッグ密売組織は、メキシコ産大麻を未成年のユーザーに販売することで得られる収益を最終的には全て失うと考えられる。カリフォルニア州において21歳以上なら誰でも、未成年より安価でより質が高くより厳格な品質管理を受けた大麻を供給できるような状況になれば、メキシコのドラッグ密売組織は、今日アルコールやタバコをカリフォルニア州の未成年に販売しようとする以上の競争上の優位性は得られない。」
11月2日に、カリフォルニア州の有権者は、大麻の成人による個人使用と定められた量の栽培を合法化し、地方自治体に大麻の商業生産と販売を管理させる、条例改正案19号を票決する。
報告書では、カリフォルニア州民が州内での大麻の合法化を決定した後でも、メキシコのドラッグカルテルによる大麻の輸出が利益を上げ続けるだろうとも述べている。著者らは、メキシコのドラッグ密売組織が、米国内の他の地域への大麻の輸出により年間およそ15億ドルの収益を得ると推計している。
報告書では、連邦政府が以前行った、メキシコのカルテルが大麻の密売により年間およそ85億ドルの収益を得ていると主張した推計を批判している。ランドの報告書は以前の推計を「信憑性がない」として、代わりに「大麻を非合法に輸出し卸売業者に販売することにより、メキシコのドラッグ密売組織が米国内で得ている年間の収益の総計は20億ドル以下であると考えられる。」と結論付けている。
この報告書にコメントして、NORML副理事のポール アーメンターノは以下のように述べている。「メキシコのカルテルが大麻の輸出により得ている収益が60%であろうと16%であろうと、基本的原理は同じである。大麻の刑事的な禁止は、非合法で無秩序でしばしば暴力的なブラックマーケット経済に燃料を注ぎ、犯罪組織に力を与え、公衆と大麻使用者の安全を脅かしている。」
彼は続ける。「カリフォルニア州民には、この11月に選択の機会がある。条例改正案19号に『賛成』票を投じることは、この非合法マーケットの管理を監督機関と立法者と許可を受けたビジネスの手に委譲することになる。『反対』票を投じることは、このマーケットの支配を犯罪組織とドラッグ密売人の手に委ね続けることになる。」
より詳しい情報については、paul@norml.orgからNORML副理事のポール アーメンターノまでご連絡ください。報告書の全文「メキシコのドラッグ密売の収益と暴力を減らすには」はhttp://www.rand.org/pubs/occasional_papers/OP325/から参照できます。
Source: NORML NEWS
RAND Study: Legalizing Marijuana In California Would "Effectively Eliminate" Cartels Involvement In State's Pot Trade
October 13, 2010 - Santa Cruz, CA, USA
翻訳とコメント by とら
もう条例改正案19号の票決まで一週間を切りました。可決されれば世界初の大麻合法化ですよ。是非ともみんなで票決の行方を見守りましょう。日本のメディアでもいくらか取り上げられるのでしょうか。ニュースでバンバン流してくれたら良いんですが。
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