2010年10月25日
NORML副理事長 ポール・アルメンタノ(Paul Armentano)
成人の大麻の使用と栽培を合法化する、カリフォルニア州の投票対象の法案(プロポジション19)を通過させようとするキャンペーンが、今日、テレビ広告を放映した。出演する前サンノゼ署長ジョセフ・マクナマラ氏は、現行の禁止法を終結させるため、公共の安全性を強く主張する。
広告の中でマクナマラ氏は言う。
「さあ、正直になりましょう。マリファナに対する撲滅戦争は失敗に終わったのです。私は、警察での35年間でわかりました。今日では、10代の若者が乾燥大麻を買うのは、ビールを買うよりも簡単です。プロポジション19は、アルコールと同じように、大麻に税金をかけ、規制をかけるものです。その法案が通れば、地域社会に数10億の収益をもたらし、警察は暴力事件などといった他の重大事件に力を向けることができ、麻薬組織を破綻に追い込みます。他の警察官も多く賛同しています。プロポジション19に賛成の一票を! 」
マクナマラ氏は、サンノゼ警察の署長を15年間務めました。
この広告は、特に南部を中心としたカリフォルニア全域のテレビ局で明日から放映されます。(広告キャンペーンへの寄付を希望される団体の方は、こちら から)
マクナマラ氏は、今日のハフィントン・ポスト紙に以下のコメントを載せている。
皆さん、ともに正直になりましょうーマリファナに対する戦争は失敗に終わったのです。
これまで70年の間、この国ではマリファナを禁止し、日々異なる結果を期待し続けてきました。しかし、ウィリアム・F・バックリーがかつて言ったように、「たとえ、人が、マリファナ禁止法論者が主張するリーファー・マッドネス(訳注:マリファナ中毒者が狂気を起こすというプロパガンダ)をすべて鵜呑みにしても、その禁止法は、マリファナ自体が与えうるよりもはるかに多大です。
私たちは、毎年数100万ドルを費やして、マリファナ所持の容疑で人々を逮捕し、裁判にかけ、犯則者として投獄しています。
しかし、私たちがおこなってきたそのような「撲滅戦争」にも関わらず、カリフォルニアでは、マリファナの入手は、誰にとっても非常にたやすいのが現状です。
(中略)私がサンノゼの警察署長として勤務した当時、サンノゼ市は、市民一人当たりの警察官の数が最も少ないにも関わらず、最も安全な都市だと言われていました。それは、私たちの取り締まりが合理的だったからです。賢明に取り締まりを図り、健全な政策をもってこそ、私たちは街中を安全にすることができるのです。口先だけでマリファナ禁止を唱えてもどうにもならないのです。
もはやカリフォルニアは、財政的に過去の失策を続ける余裕がありません。(中略)ですから、私は皆さんに、賛同する他の多くの警察官とともに、プロポジション19に賛成票を投じていただくよう求めているのです。
Source: NORML Blog
Yes On Prop. 19 Campaign Releases TV Advertisement
October 25th, 2010 By: Paul Armentano, NORML Deputy Director
翻訳とコメント by bongyo
これまでマリファナ擁護派は、数えきれないほど、科学に裏付けられたマリファナの安全性に関する報告を公表し続けています。それは、肉体的、精神的に留まらず、社会的な安全性にまで及んでいます。しかし、それに対して反対派、禁止論者が主張するのは、常に、何の裏付けもないリーファー・マッドネスというプロパガンダだったり、踏み石理論だったり・・・。
なぜそのような理不尽がまかり通るのか。それは、これまでのマリファナ禁止法の下で私腹を肥やしてきた一部の人々が、その金や権力を利用して、恣意的な法律を取り決め、人々の考えを操作してきたからに他なりません。
このニュースは、権力を行使する立場の警察の前署長が公に、自らの経験を基に、大麻解放のキャンペーンに乗っているということで、長いものに巻かれがちな私たち日本人にとって大変インパクトのあるものだと思います(毎度悲しいことに、メディアが取り上げてくれればの話ですが・・・)。また、もしこの法案が通過し、試算された通りの税収や麻薬組織の減少などの良い結果をカリフォルニアにもたらすことになれば、その波は間違いなく、近いうち日本に届くことになるでしょう(それがどんなに偏ったメディアでも取り上げざるを得ない大きな波になることを祈って!)。