ニューヨークタイムズ紙:大麻戦争の終結を

投稿日時 2010-11-03 | カテゴリ: NORML News

2010年10月28日 NORML副理事長 ポール・アルメンターノ(Paul Armentano)

これまでに2度ピューリッツァー賞を獲得した、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ニコラス・クリストフ氏が、同紙オピニオンの紙面で、マリファナ撲滅キャンペーンの終結を見事なコラムで呼びかけた。

マリファナ撲滅キャンペーンの終結を
The New York Times

わが国の、1世紀ほどにわたるマリファナ禁止の試みは、禁酒法と同様の大失態に終わり、そして、カリフォルニアは今、おそらく健全なアプローチを先駆けて実施しようとしている。確かにカリフォルニアがマリファナを合法化した場合のリスクはあるが、しかし、現行の薬物政策は、すでに3つの悲惨な結果を生んでいる。

まず、第一に、教育などに使うことができるであろう数10億ドルを浪費しているということだ。

(中略)毎年、少量のマリファナ所持で捕まっている米国民は75万人におよぶ。それは、警察を最も適した形で利用しているといえるだろうか。

それに反して、マリファナを合法化し、課税すれば、学校や図書館、幼少期教育などに使うことができる相当額の収益が見込まれる。ハーバード大学の経済学者ジェフリー・A・マイロン氏は、もしマリファナが全国で合法化されれば、毎年87億ドルもの税収を生み出し、同時に、同額の法執行費用を節約できると試算している。

つまりそれは、国家財政における170億ドルの振幅で、その額は、全米の貧困家庭の3~4歳児すべてを、質のよい幼稚園に入園させるのに十分なほどだ。そしてそれは、学業成績の改善や、薬物や犯罪の削減に繋がりうる将来への投資と言える。さらに、余剰の資金は、麻薬使用を阻止するため、全国キャンペーンの拡張に充てることが可能だ。

麻薬撲滅キャンペーンの2つ目の大きな問題は、貧困を悪化させ、アフリカ系国民の家族の結束を破滅させてきたことだ。その理由の1つは、薬物法が不公平に執行されていることが挙げられる。アフリカ系およびラテン系の国民は、白人系の国民よりもはるかに、警察に止められて所持品などを検査される傾向にあるため、薬物所持で起訴されることも多くなっているのだ。

合法化に賛成している薬物政策連合(DPA)の調査によれば、ここロサンゼルスでは、黒人系の国民がマリファナの所持で逮捕される比率は、白人系の7倍にだという。それにも関わらず、世論調査では一貫して、白人系の若者の方が黒人系の若者よりもマリファナの使用率が高いことが見受けられる。

(中略)現行の薬物政策の3つ目の問題は、それが犯罪を生み出し、ギャング(訳注:暴力団)の資金力を増強している点だ。
「マリファナを非合法化し続けて得をするのは、闇市場でその流通を牛耳って巨額の利益を得ているギャングや麻薬密売組織という連中だけです」というのは、現役および退役の警察官や裁判官、検察官が、カリフォルニアの投票者に向けて先月公開した書簡の中のメッセージだ。

私は、薬物に幻想は抱いてはいない。オレゴン州ヤムヒルに住んでいた頃の私の幼なじみの1人は、中学3年生の時にマリファナに手を出し、それからハード・ドラッグに進み、人生を随分と無駄にしてしまった。確かに、マリファナを合法化することで、そのようにマリファナに手を出す若者が多くなるかもしれないというリスクは多少なりともある。しかし、実際、2001年に薬物の使用を非犯罪化したポルトガルでは、これまで、それが深刻な問題になっていない。

(中略)わが国の連邦体制の利点の1つは、失策があれば、州レベルで実験することで、その改善点を模索できることだ。この火曜日、カリフォルニアがマリファナを合法化し、その道を先導する州になることを望む。

勝っても負けても、プロポジション19によって、マリファナの合法化が、全国レベルの、また筋の通る議論の場へ、最も高い公の話し合いのレベルにまで取り上げられたことは、ほぼ疑いのないことだ。というのは、ワシントン・ポスト紙やシカゴ・トリビューン紙、ファイナンシャル・タイムズ紙など(その他多くの)大手新聞紙が近頃掲載した改革推進の論説に見て取れる。

あまりにも長い間、体制(犯罪禁止)の支持者は、マリファナの法改正は州レベルの問題ではなく、国レベルの問題にすべきだと主張してきた。禁止論者が国レベルの話し合いを望むならば、今回ようやくその場が設けられたことになる。

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Source: NORML Blog
New York Times: ‘End the War on Pot’
October 28th, 2010 By: Paul Armentano, NORML Deputy Director

翻訳とコメント by bongyo
アメリカほど大麻の使用が一般化していないとはいえ、警察やその他、法を執行する側のマンパワーや刑務所に関わる支出などについては、日本にも少なからず当てはまることだろう。
何よりも、日本においては教育の面だろう。まずは「ダメ、ゼッタイ」に見られる情報の偏りを早く是正してもらいたい。大麻についての無知を押し付けていては、ハード・ドラッグについての説得力が薄れてしまうという危険性をもっと認識すべきだ。
あとはマス・メディア・・・いつになったらまともに海外の事情を取り上げるのだろうか。。。





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