2010年11月18日 オランダ マーストリヒト
オランダ マーストリヒト:「精神薬理学」ジャーナルにオンラインで発表された臨床試験データによると、経験豊富な使用者は、大麻の精神運動能力に対する酩酊効果に対して耐性を形成する。
オランダのマーストリヒト大学とドイツのゲーテ大学の研究者たちは、21人の経験豊富な大麻使用者(週に4日以上大麻を喫煙すると定義)に対して、大麻とアルコールの神経認知への影響についての評価を行った。被験者に対し、知覚運動統制(決められたコースを進むテスト)、二重タスク処理(注意力分散課題)、運動抑制(停止信号課題)、認知(ロンドン塔テスト)等の指標を盛り込んだ、複数のドライビングシミュレータの成績テストを行った。
研究者らは、アルコールの服用は、決められたコースを進むテスト、注意力分散課題、停止信号課題の成績を大きく低下させたと結論付けた。対照的に研究者らは、THC(訳注:大麻の有効成分)タバコの喫煙は「作業課題の成績におおむね影響を与えなかった」と報告している。
「THCは大麻のヘビーユーザーの決められたコースを進むテスト、停止信号課題、ロンドン塔テストの成績に影響を与えなかった。」「以前にこれらの作業課題は、大麻の非ヘビーユーザーに対して行うとTHCの酩酊効果に対して感度が良いことが示されている。これらの作業課題においてTHCの影響が見られないということは、大麻のヘビーユーザーはTHCの行動面への酩酊効果に対して耐性を得ることが出来るという以前の考えを裏付けるものだ。」と著者らは述べている。
著者らは、注意力分散課題における被験者の成績は、アルコールとTHCの双方および併用によって影響を受けたと報告している。
研究者らは更に、大麻のヘビーユースはアルコール単体の、あるいは併用した場合のアルコールと大麻の相乗効果による酩酊効果に対して、交叉耐性を形成しなかったと報告している。
以前7月に発表された研究でも、大麻の経験豊富な使用者におけるエピソード記憶課題と作業記憶課題の正確度は、大麻によって大きく変化しないことを見出している。その研究において研究者らは「今回得られた影響の傾向は、常用者の認知能力に与える大麻の急性影響について以前に研究した他の研究者らの結果と一致するものだ。…大麻喫煙後のヘビーユーザーの反応の正確度は、非ヘビーユーザーと同じ程度変化するわけではないという今回の観察結果は、ほぼ毎日大麻を喫煙する人は大麻による行動的効果に対して耐性を形成しうるということを示唆している」と結論付けている。
詳しい情報についてはpaul@norml.orgからNORML副理事ポール アーメンターノまでご連絡ください。研究の全文はオンライン版精神薬理学ジャーナル中の「大麻のヘビーユーザーにおけるTHCとアルコールの神経認知作用に対する耐性と交叉耐性」から参照できます。大麻と精神運動能力に関する付加的な情報については、http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7459からNORML白書の「大麻と運転:科学的および論理的再検討」を参照してください。
Source: NORML NEWS
Psychomotor Impairing Effects Of Cannabis Are Nominal In Experienced Users, Study Says
November 18, 2010 - Maastricht, The Netherlands
翻訳 by とら
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