ニュージーランドで捕まると-第5回公判・判決【写真追加再掲載】

投稿日時 2010-12-12 | カテゴリ: ニュージーランドで捕まると

by samurai seeds

2010年12月8日 第5回公判
ついに判決の日が来た。
ここまでお読みいただけなかった方達へ私がどういう過程で起訴されたかをご説明致します。
去年2009年の大晦日にニュージーランドのワイへケ島で大麻所持の容疑で逮捕その後、起訴されました。


日も暮れた大晦日の21時ごろ、私がいたビーチにパトカーが飲酒禁止区域での巡回で来ました。テーブルの上にあった合計9gの乾燥大麻とガラス製の水パイプについてそこに居た私たち4人に聞いて来ました。もちろん身体検査もされましたが全員の所持品からは違法なものは無く全員、黙秘をしました。日本での逮捕歴がないので比較できませんがこちらでは氏名、生年月日、住所と「ノーコメント」のみで黙秘になりました。

簡単に逮捕から今日までの記録をまとめました。
2009年12月31日 逮捕
2010年01月01日 保釈
2010年01月05日 初出廷・起訴事実を否認。閉廷
2010年01月28日 第2回公判・無罪を主張。閉廷
2010年03月08日 第3回公判・被告人質疑応答を100日間延期。閉廷
2010年06月18日 第4回目公判・知人の葬式へ参列を理由に延期。閉廷
2010年08月31日 予定されていた第5回目公判(質疑応答)が弁護士の都合で延期。
2010年12月08日 被告人への質疑応答・判決。

11月のツアーから帰った私に待っていたのは裁判の準備と覚悟でした。弁護士(資産証明後、国から無料)に連絡を取り質問内容を確認しました。

警察および検察はこの件を取り下げる気はないとの事で証拠を法廷に持ち込み2時間に渡る質疑応答の後、判決との事でした。

4人全員が1つの罪で起訴されていて誰が代表とかも無く1人1人に質問が個別に行われる為、話が違えば当然、判事の印象は悪く有罪になりかねないので素直に罪を認め、初犯という事で有罪記録は残るが刑罰は無しという選択肢がありました。

日本では聞いた事無いですがDiversionというそうです。しかしあくまで罪は認めて反省しなければなりません。具体的にどうなるかと聞いたところ他の3人は既に前科があるので私のみが罪を認め3人をかばい法廷で裁かれ終わります。

もうひとつは当初の予定どおり警察と司法との戦いを継続し勝利か敗北を得るという選択です。
これにはリスクが伴い、質疑応答で話しが一致しなかった場合や証拠を提出された場合。判事が有罪判決を下す可能性は大です。

朝の8:30にオークランド地方裁判所に着いた私を他の3人と弁護士と通訳そして数名の知り合いが傍聴人として居ました。
個室に入り通訳に弁護士からの最終説明を日本語で確認して2つに1つの選択を私自身の意思で決定する時が来ました。弁護士は言いました。

「ウソ(他の3人をかばい)をついて安全に終わらせるか?それとも自分のプライドをかけ勝負をするか?勝負に負ければニュージーランドはもちろん海外への渡航に影響がでるでしょう。しかしプライドを捨てウソをつけば安全に終わります。」

皮肉にも現在、延長申請中の就労ビザは公判中との理由で保留になっています。
弁護士いわく罪を認めDiversionを取れば移民局は許可を出すとの認識でした。

私は迷いはしましたが罪を認める事に意義を感じず

「戦います!」

私は退路を断ちました。その瞬間、弁護士は立ちあがり法廷に入って行きました。
これから始まる長い言葉の格闘技に備え気持ちを落ち着かせようとした。その時・・・弁護士でした。

「Yes! your dicision was right, Police & Judge dropped the charge」
「あなたの判断は正しかった。警察も判事もこの起訴を取り下げましたよ。」

英語で理解できた僕は興奮のあまりその場で叫んでしまいました。
部屋の外にも聞こえていて仲間が

「どうした?何があったんだ?」

弁護士がそれを伝えると皆、勝利の雄叫びをあげました。
もちろん形式上、出廷し判決を受けました。
私は通訳が横に付き日本語で

「この件に付き予定していた質疑応答は警察の証拠不十分のため中止。よって全員を起訴取下げとします。」

・・・・終わった。

去年の大晦日からおよそ1年が経っていた。
思えばこの逮捕があったからこそこの1年間The daktoryで住み込みNZ全国を大麻バスでまわり署名や非犯罪化運動に参加し更にTHC公認の海外特派員としてビデオや記事を書く事が出来た。そう全ての出来事には意味があり捉え方次第でプラスにもなりマイナスにもなる。この1年何度も落ち込んで何度も心の平静を保とうとした。

この国家権力とのゲームを続ける上で「折れない心」と「見えないものを信じる力」を養う為に・・・

兎にも角にも私自身の無罪は獲得したが今度はNZ最初のカンナビスクラブ・オーナーDakta Green氏のクラブ運営自体の罪で逮捕・起訴された裁判が始まります。
これが恐らく彼にとって最後で最大の戦いになると思います。
国内でもメディアの注目が集まると予想されてるのでTHCでも更新していきたいと思います。

これまでご拝読いただき誠にありがとうございます。
「ニュージーランドで捕まると」は本稿で終了となりますが引き続きNZをはじめ海外の大麻事情を生で臨場感たっぷりでお届けしたいと思いますのでご期待下さい。



2010年(平成22年)12月8日
ペンネーム Samurai Seeds





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