DEAが「疑似大麻」製品の禁止に乗り出す

投稿日時 2010-12-16 | カテゴリ: NORML News

2010年11月24日  NORML副理事ポール アーメンターノ

何はともあれ、米国麻薬取締局(DEA)は予想通りの動きに出た。

DEAが「疑似大麻」製品を違法とすると発表
フォートワーススターテレグラム(訳注:新聞)より

[引用]米国麻薬取締局(DEA)は30日以内に、「疑似大麻」製品と製品に含まれる化学物質の所持と販売を、恒久的に禁止すべきか検討する間の最低で一年間にわたり、刑事罰の対象とする。

DEAは水曜日のプレスリリースで、「K2」「スパイス」などの製品に使われている5種類の化学物質と製品自体を当面の間規制すると発表した。

プレスリリースによれば、30日以内にDEAは、保健社会福祉省が化学物質を恒久的に規制すべきか検討する間、最短で一年間、更に6ヶ月の延長の可能性つきで、製品を違法とする最終通知を発表する

DEAの公式プレスリリース:米国麻薬取締局(DEA)は、「疑似大麻」製品に使われる5種類の化学物質(JWH-018、JWH-073、JWH-200、CP-47,497、カンナビシクロヘクサノール)を当面の間規制する緊急規制権限を発動する。この法的措置により、法律に基づく許可がある場合を除いて、DEAと保健社会福祉省(DHHS)がこれらの化学物質や製品が恒久的に規制されるべきか検討する間、最短で一年間にわたり米国内でのこれらの化学物質やそれを含む製品の所持や販売は違法となる。

今までNORMLは、この問題に関してほとんど公式な見解を表明してこなかった。この問題は、NORMLの基本理念とはやや離れたところにある―NORMLは成人による大麻の使用と生産と販売の管理規制を支持するものであって、これらの化学物質、すなわち合成カンナビノイド作動物質の小売りと娯楽使用を支持するものではない。

とは言うものの、これらの製品の人気の高まりは、大麻の刑事的禁止による予見可能な当然の結果である。たいてい「禁止」が陥りがちなように、ある品物を禁止することは、その生産を規制を受けていない出所不明の密売人に譲り渡し、その品物の効力を増大させ、結果として消費者は、消費者が実際に望んだ製品を用いる合法的な選択肢がある場合よりも、潜在的により大きな健康リスクに直面することになる。そして今回、その品物は大麻だ。 (訳注:禁酒法時代の酒を念頭においていると思われる)

これらの製品の製造者の多くは国外で、米国の法律や規制の対象でないことを考えれば、DEAの法的措置は、どうしたってこれらの製品の国民への普及や使用、乱用を止めることは出来ないだろう。おそらく、DEAによる取り締まりは、法律上の観点からも保健衛生上の観点から、消費者にとっての状況をより危険にするだけだろう。

DEAは過去から何も学ばないということだ。

ハフィントンポスト(訳注:インターネット新聞)のライアン グリムが、この件に関して詳しく伝えている

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Source: NORML NEWS
Psychomotor Impairing Effects Of Cannabis Are Nominal In Experienced Users, Study Says
November 18, 2010 - Maastricht, The Netherlands

翻訳とコメント by とら
日本でも「スパイス」と呼ばれる大麻を模した合法ハーブが出回っているみたいですね。これらの製品は、乾燥した植物片に合成カンナビノイドを噴きつけたもので、主に中国で生産されているようです。喫煙用として売られているわけではないので、当然喫煙を想定した品質管理を受けておらず、どんな危険な不純物が含まれているかわかりません(中国製だし)。そもそも合成カンナビノイド自体、大麻に含まれる天然のカンナビノイドと違い、人体への安全性はほとんど明らかになっていません。
大麻自体は人体への健康リスクがそれほど大きくないということが既に多くの研究により明らかになっているのに、大麻が法律で禁じられているために、ユーザーは潜在的な健康リスクが大きい合法ハーブを使わざるをえないというのは馬鹿げた話ですね。
いくつかの化学物質を規制しても、分子構造の一部を変えた類似品が出てきて、結局イタチゴッコでしょう。

[THC編集部注]
本記事の関連では小森弁護士のサイトが大変参考になります。
日本では「スパイス」は既に昨年11月から規制対象となっています。

  • アメリカもようやく規制へ|スパイスと合成カンナビノイド問題 -2010/11/25
  • スパイスのその後|EU薬物報告書2010年版-2010/11/13
  • アメリカ版スパイスのK2はやはり中国産だった?-2010/10/27
  • スパイスゴールド規制へ|厚生労働省 -2009/10/26




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