官僚の良心

投稿日時 2010-12-31 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

談話室で、KZさんが、厚労省のサイトを紹介してくれた。

「大麻に害がない』といのはまったくの誤解です。 投稿者:KZ 投稿日:2010/12/22(Wed) 00:38 No.1630

Q。どのような害があるのですか?
A。「大麻に害がない』といのはまったくの誤解です。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/dl/mdma_koukou_0003.pdf
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/index.html

誰も大麻に害がない。
なんて、言ってないのにね。

リンク先は、厚労省のサイトのPDFファイルと「薬物乱用防止に関する情報のページ」です。

はっきり言って、KZさん指摘の通り、誰が大麻は無害だと言ってんの?という内容ではありますが、ようやくこの程度の情報は出すようになったか、という感慨も覚えました。

昨年まで、厚労省のサイトには、大麻に関する情報がまったくありませんでした。この4年間、私は、ダメセンの大麻情報を見直すよう厚労省に対しても求めてきましたが、その過程で、当時の安田課長補佐が、ダメセンの修正とは別に、厚労省として情報を発信する必要があるとして、大麻に関しては「国際機関による大麻関連の報告など」というページが設けられた。

・国際機関による大麻関連の報告など
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/other/kokusaikikan.html

このページを見ると分かる通り、厚労省は、大麻の医学的情報を、1997年にWHOが発行した“Cannabis: a health perspective and research agenda”に依拠している。この報告書は、「厚労省が所有する全ての大麻情報について」私が情報開示請求した際、唯一の論文として示されたものであり、NHKなども大麻バッシング番組ではこのWHO報告を引用している。
そして、昨年の国連麻薬委員会では、日本政府として、このWHO97年大麻報告の内容をアップデートするよう求めてもいる。つまり、日本政府は、このWHO97年大麻報告の内容が既に陳腐化していることを認識しているということだろう。

まだまだ甚だお粗末な大麻情報ではあるが、厚労省としての見解を明示した点は肯定的に評価してよいことだと思う。そのことによって、私たちは改めて論点を明確にすることができる。

あまりに遅きに失したとはいえ、またあまりに当然の行政による情報発信だとはいえ、「国際機関による大麻関連の報告など」と題されたこのページは、繰り返し情報の適正化を求めてきた当方の申し入れに対し、真摯に耳を傾け、その必要を認め、可能な範囲で対応した官僚の良心の顕れでもあると、私は受け止めている。
もっとも、あたりまえの行政行為に良心を感じてしまうほど、官僚政治全般が腐っているということの裏返しではあるが。

敬意を表しつつ、これからも、電話や文書や法廷で、厚労省との対話を続けたい。





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