THC の経口投与により難治性統合失調症患者の攻撃的傾向が減少したとの研究結果

投稿日時 2011-01-04 | カテゴリ: NORML News

2010年12月9日 - アメリカ合衆国ニューヨーク州オレンジバーグ

ニューヨーク州オレンジバーグ: ジャーナル "Clinical Psychiatry (精神医学)" の11月号に掲載された四例の報告によると、合成されたTHCの経口投与が難治性の統合失調症の改善を示す事が発見された。

ニューヨーク・オレンジバーグのロックランド精神医学センター、ニューヨーク・コロンビア大学病院、ニューヨーク医科大学の研究者らは8名の難治性統合失調症患者にTHCを経口投与(ドロナビノール)し、その有効性を調べた。
対象となった被験者らは過去に大麻の使用により症状が改善した経験を持ち、また従来の薬物治療に反応しなかった患者である。

研究者らの報告によれば、THCの経口投与の結果として8名のうち4名の症状が大幅に改善されたとの事である。特にカナビノイドの投与によって被験者らの攻撃的傾向が大きく抑えられたと報告している。

この研究における被験者らは、いずれもTHCからの有害な副作用を受ける事が無かった。

「統合失調症の素因を持つ患者は、カナビノイドの刺激により実際にそれが改善される可能性があるようだ」。研究者らはこのように結論した。

この研究チームは過去にも6名の慢性的な難治性統合失調症患者らのうち 4名までがカナビノイドの経口投与から良好な結果を得られた事を報告している。

三月にもカナダ・ニューブルンズウィック州のエドムンドストン地方病院の研究者らが、統合失調症と診断された男性患者らが大麻の喫煙により症状の主観的な改善を得られた事を報告した。

"International Journal of Mental Health Nursing (精神保健看護国際ジャーナル)" が2008年に発表した調査データにも、統合失調症患者らが大麻の喫煙から主観的な改善を得た例が記載されている。大麻を喫煙した患者は不安感が軽減し、小児期の精神的外傷が和らぎ、認知能力が向上し、そして「精神状態が改善した」。

より詳しい情報については NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせ下さい。研究結果の全文は "Improvement in refractory psychosis with dronabinol: four case reports (ドロナビノールによる難治性統合失調症の改善: 四例の報告)" の表題で、ジャーナル"Clinical Psychiatry" に掲載されています。

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Source: NORML NEWS
Oral THC Reduces Aggressive Behavior In Patients With Refractory Psychosis, Study Says
December 9, 2010 - Orangeburg, NY, USA

翻訳 by PHO
大麻と統合失調症の関係については、通常、これとは逆の事が言われている。つまり「大麻は統合失調症の原因となる」という事だが、果たしてそれは医学的な事実なのだろうか。もしもこの記事に書かれている事が事実であり、「統合失調症の原因」説が大麻の有害性を喧伝するために考え出されたデマだとしたら、それは単にデマであるという以上に悪質だ。大麻を否定する事を目的に、統合失調症患者の利益を損っているからである。いずれにせよ医学的な事実というものは人々の主義や主張に左右されるものではなく、極めて客観的に存在している。今後も大麻と精神疾患に対して深く研究される事を望む。





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