2011年1月13日 - アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティ
オハイオ州シンシナティ: シンシナティ市議会は、市で四年前から施行されている大麻再犯罪化条例の廃止が盛り込まれた2011年度予算財務原案に合意した。シンシナティ・エンクアイラー紙が報じた。
オハイオ州法では 100 グラム(およそ 3 オンス)までの大麻の所持罪が「軽犯罪」に分類されており、150 ドルまでの罰金が科されるものの犯罪歴としては記録されない。2006 年、シンシナティ市議会は少量の大麻所持罪に対してそれとは別のより厳しい罰則を規定する市条例を制定した。これは 30 日以下の拘留、250 ドル以下の罰金、そして犯罪歴としての記録を伴うものであった。"Prioritize Cincinnati (シンシナティ優先順位)" なる団体が発表した統計データによれば、この市条例を施行したことで市における大麻法規制の執行に要するコストが 181,000 ドル増加した一方、全体としての犯罪活動の抑制効果は見られなかった。
この市条例を廃止することで、市の定めた範囲内での大麻所持者らに対して、市警察および検察は再び州法に定められた罰則を適用する事になる。
市議会による条例廃止の決定は、今回の予算財務案に含まれる様々なコスト削減案のうちの一つである。
Source: NORML NEWS
Cincinnati City Council Agrees To Suspend Municipal Marijuana Recriminalization Ordinance
January 13, 2011 - Cincinnati, OH, USA
翻訳とコメント by PHO
予算財務案に費用対効果の観点から独自の大麻犯罪化条例の廃止が盛り込まれ、それが市議会で合意を得るとは、なんと理性的、合理的なのだろう。彼らは本当にこの問題を現実に即して考えているのだ。観念的で感情的な議論からは決して出て来ない判断である。もちろん法規制を考える上で必要なものは合理性であって観念論でない事は言うまでもない、当然の事であるのだが、その当然の事が我が国ではただの建前でしかなく、あるいは建前ですらない。
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