アメリカに於ける「東北太平洋沖大地震・津波・原発」問題の報道について(その1)

投稿日時 2011-03-17 | カテゴリ: オークランドより by 麻生しげる

麻生しげる(米国カリフォルニア州オークランド在住)


日本の大惨事を受けて、アメリカでは熾烈な報道合戦を繰り広げている。ニュース・ステーション各局では殆どがアンカーを日本に送り、恐怖にさいなまれている様子が連日のごとく放送されている。とりわけ原発問題に関心を示すジャーナリストが後を絶たない。

アメリカの報道では、日本人の寡黙さや我慢強いところなど、日本人たる美徳を絶賛している。これがアメリカであれば大パニックに発展することは間違いなく、略奪などに走る輩も出てくることは必至である。その証拠に、アメリカの西海岸ではもうすでに放射能を軽減する錠剤があちらこちらで売り切れているらしい。本当にそれを必要としているのは、被災地の人間なのに・・・。

1979年のスリーマイル・アイランド事故以来、アメリカは原発に敏感だった。
現在のところ、全米には104の原子炉がある。福島原発事故の起こる直前には原発関係のロビイストが新たに25基の原子力発電所を建設する予定にあった。そろそろ原発に変わる新たな電力供給源を考えねばなるまい、というのが、専門家の一致した見解だった。

最新の報道では福島原発で果敢にも50名の人間がカミカゼ的に自分を犠牲にしてまで日夜事故の処理に当たっているという。一方で、もう原発に人員は残されていないとの報道もあった。海外に住む日本人としては不安に苛まれている毎日である。日本がまたもや被爆国になるのか、と考えると、あまりに悲しい。

アメリカでは芸能人が動いてますね。レディー・ガガは{SAVEJAPAN}というブレスレットをファンに販売して資金集めに奔走している。スキャンダルまみれのチャーリー・シーンでさえ、日本への援助は惜しまないとTWEETしている。日本を救え!という名目でロック・コンサートやイベントも企画されているらしい。

現在の所、アメリカのニュースはFOX以外、殆どが日本の状況で持ちきりである。
しかしながら、日本政府からも東電からも正式な発表が皆無に等しく、信用できない、というのが大方の見解だろう。

東京都知事の石原真太郎氏の「天罰」コメントも報道され、ひんしゅくを買っていた。
こういうしょうもない男のしょうもない発言は兎も角、アメリカでのニュース報道は日本からの情報を基本的に流し続けているので、日本との情報の差異は大して無い、と私は思う。錯綜するニュースを見ながら一喜一憂しているのは日本人ばかりではないのである。

参考ニュース; MSNBC, CNN, FOX, NY TIMESその他

As Japan's disaster deepens, so does distrust
msnbc.com:March 16

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