2011年3月10日 - アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス
カリフォルニア州ロサンゼルス: 今週火曜にロサンゼルスで行われた "М" 条例案、実店舗のディスペンザリーでの医療大麻の販売に対して新たに課税する市条例案の可否を巡る住民投票で、有権者らはこれを約 60 パーセントの賛成で可決した。
М条例案は市の税務署がディスペンザリーに対し、顧客から受け取る総支払額の 1,000ドルにつき50ドルを請求可能にするというものである。
権利擁護団体である "Americans for Safe Access (訳注: 医療目的での合法で安全な大麻使用の普及と研究活動の発展を目的とするアメリカの団体)" はこの条例案に反対し、「市内で医療大麻を必要としている患者は既に高額の治療費を支払っているのに、そのコストが更に上昇する恐れがある」と論じている。
カリフォルニア NORML 支部はМ条例に対しては中立の立場を取っていた。
カリフォルニア州の他の市でも、オークランド、サクラメント、サンノゼなどでは既に同様の地方税の導入が住民投票により承認されている。
ロサンゼルス市検事は水曜、市内の141の医療大麻ディスペンザリーのリストを公表し、直ちに閉鎖しなければ法的措置を取ると警告した。市当局の主張によれば、それらのディスペンザリーは新たに成立した市条例、市内のディスペンザリーの数を最大100ヶ所までに制限するという条例に違反したまま稼働を続けているとの事である。
より詳しい情報については NORML 事務局長アレン・サンピエール (202)483-5500 に問い合わせるか、もしくはhttp://www.canorml.org/をご覧下さい。
Source: Cannabis Culture Magazine
Los Angeles: Voters Approve Marijuana Tax Revenue Measure
March 10, 2011 - Los Angeles, CA, USA
翻訳とコメント by PHO
1000ドルにつき50ドルの課税ということは税率は5パーセントだ。この税額がそのままディスペンザリーにおける販売額に上乗せされたとしても、実際に大麻を受け取る患者にとってそれが大きな問題になるとは考え難い。それよりも問題はディスペンザリー数の上限設定だ。もうこれまで私は何度も同じ事を書いた気がするのだが、ディスペンザリーの数を強引に減らして需要と供給のバランスを人為的に操作する事が、一体どのようにして患者の利益、そしてロサンゼルス市民全体の利益になるというのか。考えてみればいい。ある日あなたが体調を崩して近所の診療所へ行くと、「市内の調剤薬局の数が最大 100ヶ所に制限されたので、この診療所の外にあった薬局は閉鎖されました。一番近い調剤薬局はここから歩いて一時間の所にあります」と言われるわけだ。誰がそんな事を喜ぶ? 大麻を医薬品と認めたからこそディスペンザリーの開設を許可したのだろう? それならば医薬品としての大麻の使用者に意味もなく不便を強いて何がしたいのか。道理に適わないではないか。
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