大麻の著しい鎮痛作用が複数の無作為化試験で示される:研究結果

投稿日時 2011-05-13 | カテゴリ: NORML News

2011年3月31日 - カナダ、オンタリオ州トロント

オンタリオ州トロント: "British Journal of Clinical Pharmacology (英国臨床薬理学ジャーナル)" に掲載された、無作為化比較試験の結果報告を対象とする体系的なレビューによると、慢性的な非癌性の疼痛の治療における大麻の喫煙およびカナビノイドの投与からは、いずれも「著しい鎮痛作用」が得られている事が判った。

トロント大学小児病院の研究者らは、神経因性疼痛、繊維筋痛、リウマチ性関節炎、"mixed chronic pain"(訳注: 『複合慢性疼痛』とでも訳せば良いのか?)などの慢性の痛みを治療する上でのカナビノイドの有効性について書かれた文献を精査した。2003 年から 2010 年の間に行われた無作為化比較試験の中で 18 の試験が評価対象基準を満たしており、その被験者数は合計 766 名であった。そのうち四つの試験では大麻を喫煙した場合についての評価が行われており、それ以外の試験では大麻由来のカナビノイドもしくは合成カナビノイドの持つ鎮痛作用への評価が行われていた。

著者らは次のように書いている。「全体的にそれらの試験は極めて良質なものであった。評価対象基準を満たしていた 18 の試験のうち 15 までがプラセボに対するカナビノイドの鎮痛作用の有意な発現を立証しており、また睡眠が著しく改善されたとの報告も幾つか存在した。重大な副作用の発生事例は一件も報告されていなかった。」

研究者らの言及によれば、大麻の喫煙についての四つの試験ではいずれも「有益な効果が見られ、また深刻な副作用は見られなかった。」「特に重要な点は、大麻を喫煙した被験者のうちの二名において、通常の神経因性疼痛治療が殆ど効果を成さない事で有名な HIV を原因とする神経障害の痛みに対して強い鎮痛作用が見られたという事実である。リウマチ性関節炎における大麻製剤の効能を評価した試験からは疾患活動性が大幅に減少した事が示されており、この事はカナビノイドに消炎作用が存在する事を示した前臨床試験の結果と一致している。」

彼らの結論は次の通りである。「慢性的な非癌性の疼痛(主に神経障害性の疼痛)の治療において、カナビノイドは作用の穏やかで安全な選択肢となる。慢性疼痛の有病率の高さ、それがもたらす機能不全の度合い、そして有効な治療的介入の手段が不足している状況を鑑みれば、新たな治療選択肢の導入は急務である。疼痛および機能レベルに関しての、より大規模で長期間に渡る試験が行われる事が望まれる。」

より詳しい情報については NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ( paul@norml.org )にお問い合わせ下さい。研究結果の全文は "Cannabinoids for treatment of chronic non-cancer pain; a systemic review of randomized trials (慢性的非癌性疼痛の治療手段としてのカナビノイド; 無作為化試験結果の体系的レビュー)" の表題で "British Journal of Pharmacology (英国薬理学ジャーナル)" に掲載されています。

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Source: NORML NEWS
Cannabis Significantly Reduces Pain In Randomized Trials, Study Says
March 31, 2011 - Toronto, ON, Canada

翻訳 by PHO





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