〔平成23年(あ)第394号〕
最高裁判所 第2小法廷 御中
異議申立書
(大麻取締法に対する市民的不服従宣言として)
2011年7月28日
一審証人 白坂和彦
KYさんの上告棄却に際し、ちょっと一言申し上げます。
「最高裁判事と司法官僚の良心」という、ありもしない幻に、一縷の望みを抱いた私がバカでした。
最近の科学的知見や海外の状況、米国科学アカデミーや英国議会の報告など、具体的な論文や多数の資料で懇切丁寧に、裁判官でも司法官僚でもアホでも分かるように、「大麻はアルコールやタバコほど害がない」と論証しているのに、昭和60年の最高裁決定という、国際的には我が国の恥晒しでしかないカビの生えた判例を見直そうともせず、「見ざる言わざる聞かざる」の猿芝居を続け、大麻は国民生活に嗜好品として定着していないから懲役刑で構わないと言い放つお代官さまには、もはや付ける薬は越後屋でしか売っていません。裁判官さん、ちょっと、「おぬしもワルよのう」と言ってみてくれませんか? きっとお似合いです。
2003年に私自身が逮捕されたとき、私は一審から最高裁まで、大麻取締法は生存権を侵害していると主張しました。一審で弁護士は次のように弁論しています。
「大麻が医療利用され、大麻を使って自己治療している患者が医療効果を享受しているにもかかわらず、大麻取締法をもってこれを禁ずることは患者の生存権を侵害するものである。
よって、大麻取締法の罰則規定は、幸福追求権(憲法13条)、生存権(憲法25条)を侵害し、その制約は必要最小限のものではなく、さらにその法定刑は過度に重いから憲法13条、25条及び31条に反し違憲である。」
当時、桂川さん〔平成17年(あ)第820号 〕も私も〔平成16年(あ)第956号 〕、大麻を病人たちに無償提供し、喜ばれていました。
ところが、大麻取締法の生存権侵害を主張する弁論に対し、裁判所は、一審から最高裁まで、まったく一言も所見を示さず、黙殺しました。私はもうホントに驚きました。裁判所にも黙秘権があるなんて知りませんでしたから、キツネにつままれたような、狸にバカされたような、裁判所に騙されたような、虚脱感を覚えました。当時は今よりも、司法の科学的で公正な判断に期待していましたから、科学的なデータと論理をしっかり示せば裁判所は分かってくれると思っていました。
桂川裁判で検察は大麻の有害性の根拠として、ダメゼッタイの天下りホームベージを印刷して出してきました。今回のKY裁判で書証を提出した通りです。その元データを取材してみたら、なんとまぁ15年以上も前に天下り公益法人(ダメセン)が米国から輸入販売していた薬物標本見本の説明書の翻訳でした。しかもその事実を厚労省もダメセンも隠蔽しようとして、情報開示請求で争った挙句、内閣府の「情報公開・個人情報保護審査会」は、ちゃんとデータを出せと厚労省に答申し、我が国が公的に国民に周知している「ダメ。ゼッタイ。」の大麻有害情報には医学的根拠がないことが公的に明々白々になったのです。そして、当方の度重なる要請に対し、大麻情報を見直すとダメセンの天下り専務理事が2007年3月に明言し、予算も付き、専門家が新しい情報をダメセンに渡しているにもかかわらず、未だに医学的根拠もない「ダメ。ゼッタイ。」大麻情報が公害の如く垂れ流され続け、多くの人が大麻をちょっと持っていたというだけで逮捕され、人生をブチ壊され続けているのです。
「大麻情報汚染」とでも申しましょうか。「原発は安全」だと喧伝してきた国家権力は、同時に「大麻は有害」だと「神話」を騙ってきたのです。
行政にも、司法にも、幻滅しました。
立法府も混迷の極みだし。
斯くなるうえは、即身成仏、じゃなくて、非暴力による市民的不服従の権利を行使するほかないでしょう? 今回のKY裁判一審の裁判官が説示するように、大麻を嗜好品として国民生活に定着させるほかないんでしょ? でも、あと何人捕まって、家族とか含めて、あと何人、塗炭の苦しみを味わえば、大麻は嗜好品として国民生活に定着したことになるのでしょうか? 裁判官さん、司法官僚さん、教えて下さい。
私は、大麻取締法に関して、非暴力による市民的不服従を宣言します。
でも、私一人が非暴力による市民的不服従の権利を行使するだけでは社会的には何も解決しないので、大麻取締法を我が国に強要した米国の多くの州のように、せめて医療的な使用くらいは合法的にできるように、知恵を出して行動してみようと思っています。それを楽しみたいな、と。
私は日本が好きだし、日本に生まれたことを感謝しています。でも、日本が好きだということと、現在の法律や政府を好きかということは、まったく違う話です。私は大麻取締法と現在の政府や裁判所や厚労省やダメセンはキライです。大ッッッッッッッッッッ嫌い。
大麻は古来から我が邦において大切にされてきた栽培作物であり、現在のヤマト政権の縁で言えば、大麻はアマテラスのメタファーですらある神聖な神の草なのです。広辞苑で「大麻」を引いてみなはれ。
戦勝国・米国に強要された大麻取締法の呪縛を解き、麻の復権を図ることは、我が邦に独立と光明を取り戻す岩戸開きなのです。
裁判官さん、司法官僚さん、KYさんが地獄で待ってるそうですよ。早く逝ってあげて下さい。俺もあとで逝くからさ。
じゃぁね、さいなら。
以上
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