デマには要注意!「パスポートで医療大麻」

投稿日時 2011-08-14 | カテゴリ: オークランドより by 麻生しげる

このあいだ、、医療大麻関係のサイトを閲覧していたら、「日本人観光客でもパスポートのみで医療大麻ライセンスが取得できる」というふれこみで、情報を発信している某サイトに行き着いた。結論からいうと、これは明らかに嘘だ。カリフォルニア州の医療大麻法案PROP215は、カリフォルニア州民にのみ当てはまり、カリフォルニア州の住民以外は医療大麻レコメンデーション(推薦書)の対象外となる。これは他州に住むアメリカ人も例外ではない。

同サイトではパスポートでも医療大麻免許を発行するという病院を名指しであげていたので、早速私はその病院に電話をして聞いてみた。電話に出た担当者によると、パスポートでの医療大麻免許の発行は一切行ってないとのことで、日本人がカリフォルニアに短期滞在してもマリファナ免許の交付はなされないことが判明した。メールでも同様の回答を得た。

カリフォルニア州の法律は単純明快である。まずは医療大麻を必要とする適用症状があり、カリフォルニアの医師の診断を受けた上で、カルフォルニアに引っ越すか、最低1ヶ月は滞在し、居住先を持った者のみがレコメンデーションを手に入れることが出来る。安易にこのサイトのガセネタを信じて、医療大麻を手に入れるためにカリフォルニアまで短期滞在のつもりで出かけると痛い目にあうのは明らかである。

カリフォルニア州では、医療大麻免許交付の際に、カリフォルニア州の身分証明書の提示を義務付けている。その身分証明書を手に入れる為には、自動車免許若しくは身分証明書を交付する機関(DMV)で多数の書類(日本人の場合、パスポート、国際免許、学生証、他州の身分証明書、電気代の支払い証明などなど)数点が必要になってくる。そのステップとあらかじめ医師に診断書を書いて貰う手順を踏まずに医療大麻免許が交付されることはまず考えられない。百歩譲って、同サイトの運営者(日本人)がカリフォルニア州の身分証明書の代わりに日本のパスポートで医療大麻のレコメンデーションを発行してもらったとしても、その人物はカリフォルニア州に実際に居住し、どこかの病院からの資料も持っていたのだろうと容易に推測できる。それに、身分証はディスペンサリーに入店する際にも必要だ。

更に付け加えれば、私独自の取材によると、サイト運営者の挙げた病院の名前はディスペンサリーのあいだではブラックリストに載っており、そこのレコメンデーションはとてもじゃないけれど普通のディスペンサリーでは通用しないという。これは私が個人的に付き合いのあるディスペンサリーから仕入れた情報である。ネットでも同様の情報を簡単に得た。

同サイト運営者は「ロスアンゼルスの空港からタクシーで10分のベニスビーチに行けばなんの書類もなしに医療大麻レコが手に入る」というが、そもそもベニスビーチ一帯の病院はすこぶる評判が悪く、つい最近も有名な医師が不法に大麻ライセンスを発行して逮捕された事件があったばかりである。又、ベニスビーチのレコメンデーションは他の場所では通用しないとも言われている。いずれにしても、カリフォルニアで合法的な医療大麻を体験するにはカリフォルニアに定住する他ないのである。

皆さん、くれぐれもこのような嘘の情報、サイト運営者の虚言を信じてはいけない。カリフォルニアといえど、そう簡単に医療大麻免許が手に入るわけではない。勿論、嗜好大麻はこの限りではない。ベニスビーチに行けば、アンダーグラウンドでマリファナを手に入れるのは容易いことである。これはカリフォルニア州全土に共通することで、因みに1オンス(約28.5グラム)以下の所持は非犯罪化されているので、所持量に気をつければ、安心してマリファナを満喫できるのも確かである。但し、モノの良し悪し、値段、カビの有無などは売人の良心に任せるほか無いのが現実である。

兎も角、「パスポートで医療大麻」は明らかに嘘なので、皆さんも騙されないように注意しましょう。




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