歴史の中の今 世界は結局ドラッグを受け入れられるのか(3)

投稿日時 2011-10-02 | カテゴリ: サルパラダイスの読み

歴史の中の今 世界は結局ドラッグを受け入れられるのか(3)
「フラッシュバックス ティモシー・リアリー自伝」を読んで

サル・パラダイス


この時代はマリファナ、幻覚キノコ、LSD等サイケドラッグが花開いた時代であり、ジャックケルアック、アレンギンズバーグ、ジョンレノン、ジョンリリー等、その時代の多くの著名人、文学者、科学者、芸術家がそれらサイケドラッグによって得たインスピレーションで、その才能を飛躍させ、表現できた時代でした。
彼らは、それらのドラッグによって、人間の深淵にもぐりこみ、その先のさらなる可能性の海への開発が試みられると思っていたでしょう。
ところが、上層社会、主にアメリカ政府が興味をもっていたのは、ほぼ軍事利用のみでした。LSDは強力な自白剤や洗脳手段として活用するものだと捉えていました。(逆に、サイケデリックを平和利用のため、これら上層部にターンオンしようとしていたメアリーピンチョットのような人物もいる。彼女はJFKと2年間情事を続け、彼とマリファナをやっていたとある) ティモシーをはじめ自由にさせていたのも、彼の研究をどこかで軍事目的に転用させるためである。

しかし、彼の影響力がハーバード大学から若者、知識人らに急速に拡大するにつれ、彼は政府に対しての脅威となってくる。そうして、彼はメキシコ国境越え時のマリファナ少量所持で逮捕され、なんやかんやで終身刑に近い形で投獄される。実りのない裁判、公聴会。ついに脱獄、亡命。再投獄。 支援者らの助けが実って、完全自由を得るまでに10年間である。

その間、彼の主張は変わっていない。ドラッグによる自己内部へのアクセス権の自由である。彼は言う。
「私はマリファナを研究道具として用いる科学者として、また、信仰活動の一環として使用するヒンズー教の先駆者として、自分のアメリカ憲法修正第1条の権利を守るために証言台に立った。」

彼の主な研究材料は幻覚キノコやLSDといったハードドラッグだが、ドラッグ全てに肯定的だったわけではな い。ドラッグ全般の解放を叫んでいたとは思われますが、コカインやヘロイン等には否定的であったようだ又、LSDやキノコ等もハードドラッグであるため、完璧なマネジメントの中使用されるべきで、セックスやお気楽な快楽の使用ではなく、あくまで精神世界や脳の進化のための道具とすることを目的と考えていた。(彼は研究での使用は常にヘルパーを付けたグループセッションとしていた) ヘロインに対しての見解はこうだ。

「サイケデリックドラッグは人間の存在というスペクトルの広がりに対する理解力と感情をとぎすますが、アヘン等の中毒性逃避用ドラッグはこれとは全く正反対に知性を低下させてしまう。」

本の最後の方の最新の彼は(その時点で1989年)、変わらずドラッグの知的で穏当な使用に対して100%肯定的である。そして、この現在も続いている政府による人間の心理上の選択肢を禁止しようという試みの将来的な敗北を信じている。彼のさらなる研究の先は宇宙移住、知能増大、寿命延長である。サイケデリックドラッグによる人間の精神世界の深淵への探求が、これら研究の躍進につながっているという。

さて、これほど、人類の進化へ寄与する可能性が高いと思われるマリファナをはじめとするサイケデリックドラッグはなぜ世間に拒まれているのでしょう。サイケデリックドラッグが体に悪いから?サイケデリックドラッグをやると人を襲ったりするから?そうでないことは、今やはっきりしていますよね。なぜ、サイケデリックドラッグが拒まれるのか。これに対する答えとして一番わかりやすかったのがティモシーとハクスレーの冗談めいた会話の部分である。

「この進化の障害になるのは、ティモシー、聖書だよ。」
「聖書のなかには、脳変革のドラッグの話はなかったと思うが。」
「ティモシー、創世記の一番初めの章のことを忘れてやしないかい。エホバはアダムとイブに「汝等のためにエデンの東にこの素晴らしい楽園を創った。なんでも好きなことをしてよい。ただし知識の木の実を食べることだけは禁じる」と言った。」
「初めて統制を受けた物質ってわけか」
「そのとおり。意識の管理者たちは、バチカンからハーバードにいたるまで、長い間この仕事に従事してきたし、その独占を手放すつもりもない。」

この世を支配する勢力があるとしたら、彼らが支配される側に知らせたくない真実とは何でしょう。意識の底にもぐりこむことで見える本当の現実とは何でしょう。国も、軍隊も、家も、原子力発電所も、お金も、仕事も、資格も、チョコレートも全てを捨て去って残るもの。おそらくそれは愛でしょう。そして、愛で全てがつながっている事に気づくのでしょう。そうすれば、人々が今構築されている世界と全く違う社会で生きていける可能性が見えてくるのかもしれません。

禁断の木の実をかじった時、我々はエデンの園から追放される運命なのでしょうか。それとも、それまでの世界そのものを追放する勢力になりえるのでしょうか。

さて、時代は変わります。マヤの暦でいえば5200年近くにわたる我々の現代は終わり、2012年の12月のどこかで彼らの言う6番目の時代に入ります。(スピリチュアルな人々はこの時のことをアセンションと言う)

夢見る新しい時代の第1日目は、禁断の植物の一服から始めようではありませんか。

おわり





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