嬉しい悲鳴 ~医療大麻栽培日誌~ 麻生しげる
ハンボルト・カウンティーへ出張に行ってる間に、我がグリーンハウス内は元気なガンジャが天井を突き抜けてしまい、とうとうハウス上部に穴を開けた。
又、そろそろ紐で縛ってプラントを広げないと、ガンジャがカビる可能性も出て来た。そこで、大幅なリーフィングを行うことにした。リーフィングとは変色したり死んでしまったウオーターリーフと呼ばれる比較的大きな葉っぱを駆逐する事を指す。これには大変な手間と労力と時間がかかるが、まあ、仕方がない。マリファナ・ガーデニングにとってリーフィングは絶対に欠かせない要素の一つである。
私のプラント達はいずれも周囲下部、若しくはプラント全体をを金網で囲ってある。株数の遥かに多い我がコープでもこれは同じである。囲いをしないと、プラントが真っ直ぐにちゃんとした密度で育たず、又最大限の収穫量も期待できない。プロのガンジャ農家は基本的にバールで囲いを作るか、金網を使うか、あるいは紐でプラントのあちらこちらを縛る。まあ、条件次第では放っておいても育つことは育つのだが、やはりガンジャ農家にとってはカビと害虫が一番怖い。ちょっとでもカビや虫がつくと、吸えないガンジャが出来上がるし、それを患者に供給出来なくなるし、もちろんディスペンサリーに卸すことも出来なくなる。正に我々にとって死活問題なのである。
一部のプラント達はまだ9月だというのに、もうバッヅが満開である。そろそろ収穫期に入りそうだ。
インドアでマザープラントにしていたトレインレックを外に出した所、不思議な急成長をはじめた。ひと株全体がひとつのコーラとなりそうな気配なのである。1年半位室内でマザープラントにしていたので、どうなることかと心配したが、これも杞憂となりそうだ。このプラントはトップがフォークのような形をしている。
グリーンハウスはあちこちにガタがきている。天候の所為もあるが、大慌てで作ったから、手抜き工事もいい所なのである。それに私は建築はずぶの素人である。従兄弟の手伝いがなかったら、今年のガンジャは降り注ぐ大雨で全滅していたことだろう。それだけに、今年の期待は大きい。以前にも報告したとおり、私用のガンジャは品種が豊富である。ナント全部で15種。コープの方は精々5種類から6種類といった所か。もちろん、全部F1のハイブリッドである。コープの方ではマリーゴールドをガンジャと一緒に植えている。
マリーゴールドを植えると、ガンジャに悪い虫がつかないのだ。その理由としては、2説あり、ひとつはマリーゴールドを虫が嫌うというもので、もうひとつは虫がマリーゴールドにくっついてガンジャに付かないという説である。真相はわからないが、恐らく前者であろう。私自身はマリーゴールドに虫がついたのを見た事がない。グリーンハウス内は一応インドアアウトドアなので、虫がつく心配は殆どない。それでも去年は室内でメディワナがハダニに感染したので、今年はことさら注意深く見守っている。またまたガンジャをボンファイアーにするのは躊躇われるからだ。ハダニは小さな蜘蛛の巣のような繭のようなものを作るので、すぐに判る。ハダニに感染した箇所はオキシドールを5%水に溶き、感染箇所をキレイに洗うと駆逐できる。或いは、小さな枝についている場合は、枝そのものを丸ごと処分した方がよかろう。
ガンジャ農家の仕事は尽きない。収穫期が待ち遠しいようで、億劫でもある。収穫期に入ったら、どんな悪天候でも刈り入れと、大量のマニキュアリングをしなければならないからだ。毎年、色々な人をこの仕事用に雇う。支払いはもちろんガンジャである。調理用のシェイクをあげるだけで、トリミングの手伝いをしてくれる団体も存在する。バッヅ・テンダース・ユニオンという、マニキュアリング専門の組合もカリフォルニアには存在する。一種の季節労働者である。
今年のコープはその殆どがサワー・ディーゼルとマウイ・ワウイとケムドッグ4というガンジャである。患者用ガンジャなので、品種を豊富にする必要は特にない。患者が他のマリファナを欲したら、誰かと交換すればいいだけのことである。それに、実は、マリファナというものは、大量に植える場合、同じ品種を植える方が遥かに効率が良く、育ちも良い。私のように15品種もグリーンハウス内で育てるなんてホントは言語道断なのである。まあ、自分用のガンジャは趣味のようなものだから・・・。そして室内栽培は全部トレインレックである。先に述べたマザープラントからクローニングしたものだ。
私は乾燥手順も複雑な手法を取っている。2週間以上かけてじっくりと、カビに気をつけながら、乾燥させる。乾燥にもっと時間がかかることもある。ガンジャの量とバッヅの大きさが乾燥時間を決める。詳しい手順は収穫期に報告することにする。
私は有機栽培にこだわり、見た目に美しく、より良く飛ぶガンジャを育てることに精進しているのである。
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