平成19年6月6日
厚生労働大臣 柳 澤 伯 夫 殿
白坂和彦
異議申立書
平成19年5月18日付の行政文書開示決定通知書(厚労省発薬食第0518010号)に不服があるので、行政不服審査法の規定により、下記の通り異議を申し立てる。
*対象となる処分:行政文書開示決定処分(厚生労働省発薬食0518010号)
*処分を知った日:平成19年5月20日
*処分等の教示の有無:行政文書開示決定通知書に説明にあり
*趣旨理由
厚生労働省に管理監督責任のある(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター(以下「麻薬防止センター」と略)が運営する「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに記載の大麻情報の根拠文書を示すよう、昨年12月13日付で私は開示請求した(開2911号)。
同ホームページの大麻情報は、「身体的影響」「精神的影響」という重要な項目を含め、そのほとんどの記述が、14年以上前に麻薬防止センターが米国テキサス州にある反薬物団体から輸入販売していた薬物標本見本の説明書を翻訳しただけのものであることが、昨年6月14日の同センターに対する私の問い合わせで明らかになっている。
「ダメ。ゼッタイ。」ホームページだけでなく、その原本にも記述の根拠を示す出典が全く示されておらず、麻薬防止センター糸井専務理事も、厚労省麻薬対策課藤原情報係長も、担当者秋篠氏も、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻情報は、科学的根拠も出典も示せない古い情報であることを認めている。
麻薬対策課担当者秋篠氏は、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻情報がそのような科学的根拠も出典も示せない、輸入モノの薬物標本の説明書であることを、私が指摘するまで知らなかった。
根拠のない誤った情報は改める必要があると伝えたところ、担当者秋篠氏は、その原本のコピーをファックスで麻薬防止センターから入手し、「探してもらったら出てきた」そうで、その原本コピーが「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの根拠だと回答した。それが今回開示されている「DRUG EDUCATION MANUAL」である。
ところが、昨年12月の開示請求に対し、厚労省はこの原本コピーを大麻情報の根拠として開示せず、そのことに対する私の異議申立に、この原本コピーは「担当者がセンターより入手したが、個人の資料収集の一環として行ったものであり、上司の指示等によるものではなく、あくまで個人の勉強のため」で、「保存・廃棄については、担当者の判断で処理できる性質のもの」であり、「本件文書は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)第2条第2項に規定する「行政文書」に該当しないことは明らかである」と、内閣府情報公開・個人情報保護審査会に対する「理由説明書」で述べている。
担当者が勝手に捨ててもいいような文書が、なんで今回は行政文書として入ってるのかな?
以下、異議を申し立て、説明を求める。
1. 昨年12月の請求に対しては、本文書は開示すべき行政文書でないことが明白である、と厚労省が回答したこの文書が、いつ、どのような理由で開示されるべき行政文書になったのか、説明を求める。
2. 昨年12月の請求に対する回答では、本件文書は「念のため行政文書管理ファイル簿で検索してみたところ、該当する文書は存在しなかった」との説明であったが、現在は行政文書管理ファイル簿にデータベース化されているのか、念のため確認を求める。
3. 昨年12月に行った開示請求では、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの根拠文書として、厚労省は、世界保健機関が1997年に発行した「Cannabis health perspective and research agenda」を示したが、その後、同ホームページを運営する麻薬防止センターの糸井専務理事に確認したところ、同ホームページは1997年以前に公開されて以来内容の見直しを行っておらず、世界保健機関発行の当該文書は参照されていない可能性が高いと回答した。そこで改めて厚労省に対し、「ダメ。ゼッタイ。」ホームページのどこに当該文書が反映されているのか質問書を提出したが回答がなかったので、麻薬対策課に電話したところ、啓発推進係長の松田氏は、文書開示請求には法的義務があるので回答したが、質問書には法的義務はないから回答しないと説明した。
自ら開示した文書の矛盾についての質問にすら回答しない厚労省の横柄さ、情報管理、情報公開の杜撰さは、情報公開法の理念を無意味化するものである。末筆ではございますが、この場をお借りして、ついでに異議を申し立てます。
以上
|