2011年7月14日木曜日
ペンシルベニア州フィラデルフィア: 地方検事セス・ウィリアムズが先週フィラデルフィア・デイリー・ニューズ紙に語ったところによると、軽微な大麻犯罪による起訴を取り止める事で、フィラデルフィア市は昨年度に推定200万ドルの経費を削減したという。
2010年4月にウィリアムズは、軽微な大麻犯罪者を捜査当局が逮捕・起訴する代わりに裁判所への出頭命令を出すようにするとの政策変更を発表した。
NORMLフィラデルフィア支部は市が近隣の郡よりも軽微な大麻犯罪を厳しく罰しているという事実を発見した後、その政策変更のために積極的なロビー活動を行っていた。フィラデルフィア支部はまた2010年2月の報告でも、市の大麻犯罪での起訴に著しい人種的格差がある事を発見したと発表している。その報告によるとアフリカ系アメリカ人の男性は市で少量の大麻所持のために逮捕された人数の中で約83パーセントを占めていた。
この新たな政策は2010年の6月から施行されていた。
フィラデルフィア・デイリー・ニューズ紙の報道によれば、SAM (Small Amount of Marijuana; 少量の大麻) と呼ばれるプログラムの下で、初年度にはおよそ4,160名の被告人が裁判を免れた。このプログラムの適用された被告人は200ドルの罰金を支払った上で3時間の薬物認識講習を受けることを要求される。この講習を受けて罰金を支払った者は刑事裁判にかけられず、また前科としても記録されない。
かつてのフィラデルフィアでは、少量(30 グラム未満)の大麻を所持していた者は軽犯罪として起訴され、30日以下の保護観察もしくは拘留、500ドル以下の罰金刑が科された上に、前科として記録された。
フィラデルフィアNORML支部の広報担当者であり FreedomIsGreen.com の発行者でもあるクリス・ゴールドシュタインは次のように述べている。「厳格な取り締まりのために税金を浪費する理由はない。大麻所持罪から刑事罰を取り除く事で、消防、救急、その他の必要なサービスに予算を割り当てる事ができる。単純な話だ。」
より詳しい情報については NORML 事務局長アレン・サンピエール (202)483-5500 もしくは NORML フィラデルフィア支部広報担当クリス・ゴールドシュタイン < media@phillynorml.org > にお問い合わせ下さい。
Source: NORML NEWS
Philadelphia: City Saves Millions By Ceasing Criminal Marijuana Prosecutions
Thursday, 14 July 2011
翻訳とコメント:PHO
「厳しく罰している」と言われた法改正前のフィラデルフィアでさえ、現状の日本に比べれば圧倒的に寛大な処分を行っていた。意味も必要も道理もない刑事罰に無駄なコストを掛けているような余裕が無い点では、「財政難ゆえ消費税増税も止む無し」などと叫ばれる現在の我が国においても、その事情は何ら変わる所は無い。大麻所持を始めとする「被害者無き犯罪」の不合理性は、あくまでもそれが個人の私的な行動に国家が余計な首を突っ込む所にあるのであって、決して経済的な理由が第一のものであるとは私は考えない。だが現実に刑事罰を科すには必要なコストを国家が負担しなくてはならず、その財源は税金であり、我々国民が支払う金銭である。税金を喜んで納める者など居ないのであり(そうでなければ誰が増税に反対するだろうか)、ましてその税金が意味もなく浪費される事を喜ぶ者など何処にも居ない。
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