麻薬取締局:大麻は依然として危険で依存性がある

投稿日時 2011-12-29 | カテゴリ: 海外情報

潜在的に有用な医療品としての大麻使用を主張した、3度目になる大麻を再分類するための歴史的請願が申し立てられた。その後、連邦政府の麻薬取締局は、医療専門家の管理下でさえも、未だ大麻は「危険」で、「依存性が高く」、「安全でない」ものだとした。
麻薬取締局によってなされた決定は、大麻をヘロインと同じクラスに留めるというものだった。大麻の合法化と医薬品としての大麻使用を支持する人たちは、しばしば、癌や緑内障のような病気の治療として大麻が医療になりえると科学的な証拠を指摘している。
大麻の分類について政府が公式な見解を示したのち、今や医療大麻の活動家たちはしきりに裁判に持ち込もうとしている。

Americans for Safe Accessの責任者であり、その訴訟の主任弁護士であるジョー・エルフォード(Joe Elford)によると、活動家たちは「政府の先延ばし戦略を挫いた。そして、今や我々は大麻が本当に治療としての価値があるということに正面から向き合うことができる。」と発言している。

最初の請願は1972年だった。大麻がヘロインのようなクラスA薬物と同様に「危険」である、と決定するために政府は17年の歳月を費やした。

2度目の請願は1995年に提出された。この時政府は1989年の公式見解を再び断言するために6年を費やした。

今回のケース同様、両方の請願は裁判に持ち込まれ、すぐに否決された。

麻薬取締局長官であるミシェル レオンハート(Michele Leonhart)が活動家のリーダーへあてた書簡は以下のとおりである。

2002年10月9日

麻薬取締局に対して、あなた方は規制薬物法(CSA)の規定を変更するための手続き開始を要請しています。
特にあなた方は、大麻を規制薬物法におけるスケジュールI薬物から外しスケジュールⅢかⅣ、あるいはⅤに変更することを麻薬取締局に要請しています。

あなた方は以下のような主張のもと、麻薬取締局が大麻をスケジュールⅠから外すことを要求しています。

(1)大麻の医療使用は、アメリカ合衆国で広く受け入れられている。

(2)大麻の医療使用は、専門家の管理下では安全である。

(3)大麻はスケジュールⅠやⅡの薬物と比べ乱用の可能性が低い。

(4)大麻はスケジュールⅠやⅡの薬物と比べ依存性が低い。

規制薬物法変更に関する規定に従い、必要なデータを収集した後、我々は科学的・医療的な評価に加え、変更に関する助言を保険社会福祉省(DHHS)に求めました。保険社会福祉省は、大麻の乱用可能性は高く、アメリカ合衆国での医療使用は許容できるものではない。また、医療専門家の管理下でさえ、使用する際の安全性は許容レベルを満たしていない、と結論付けました。したがって、大麻をスケジュールI薬物に留めておくということが保険社会福祉省からの提言でした。社会保険福祉省が、麻薬取締局に対して提出した科学的・医療的な評価と、分類の提言は以下の通りでした。

保険社会福祉省の評価に加え、その他全ての関連データをもとに、大麻がスケジュールⅠから取り除かれるべき実質的な証拠は存在しないと麻薬取締局は結論付けてきた。詳細にこれらの材料に焦点を当てた麻薬取締局の準備した文書は以下にも示す通りである。要するに、大麻は薬物規制法のもとで、スケジュールI薬物コントロールのための基準を引き続き満たしている。なぜなら:

(1) 大麻は乱用の可能性が高い。保険社会福祉省の評価と麻薬取締局によって新たに集められたデータは、大麻が高い乱用の可能性を持つ事を示している。

(2) 現在のところ、大麻はアメリカ合衆国で治療としての医療使用を認められてはいない。判例法によると、大麻は「現在のところ医療使用に認められたことはない」。その理由は以下のとおりである。:大麻の科学的な性質は知られておらず、再現することができない。:安全性に関する十分な研究が存在しない。:有効性を示すための、十分で適切な対照研究が存在していない。:大麻は資格を有する専門家に認められてはいない。:科学的な証拠が広く利用可能なわけではない。

(3) 大麻は、医療専門家が管理下で使用するにあたり許容できる安全性を欠いている。現在のところ、連邦食品医薬品局(FDA)に承認された大麻製品は存在しないし、何かの証拠により連邦食品医薬品局で新薬申請の評価を受けた大麻もない。現在のところ合衆国において、大麻を治療として承認し、医療的に使用したことはなし、適正な規制の元で医療的使用が承認されたということはない。今回、科学的に安全性と効果を評価するため、綿密に計画された臨床試験が行われたが、大麻使用の周知されているリスクよりも、明確な有益性が勝るということはなかった。

また、大麻はスケジュールIやスケジュールIIの薬物よりも依存形成能が低いとあなた方は主張している。大麻の身体的・精神的な依存性についての研究成果は、考えられる8つの要因の1つにすぎない。提供された記録文書の中で更に議論されているように、長期間・定期的に大麻を使用すると、精神的な常用性や依存性だけではなく、使用を中断後に身体にも依存性や禁断症状を起こす可能性があると保険社会福祉省(DHHS)は主張している。

法令21
U.S.C. 812(b)は決定的なものです。

「現在、合衆国で治療における医療使用が認められていない」そして「医療専門家の管理下で使用するための、許容可能な安全性が欠乏している」乱用薬物に対して、議会はたった一つのスケジュールしか設定していません。それがスケジュールⅠなのです。

したがって、保険社会福祉省と麻薬取締局の記録を合わせて詳細に述べるなら、薬物規制法のもとで大麻を再分類するための規定変更の手続きを始めるというあなた方の請願を、麻薬取締局が承諾するという法的な基準は存在しません。したがって、あなた方の請願は、このようにして認められませんでした。

敬具

麻薬取締局長官ミシェル レオンハート(Michele M. Leonhart)

いくつかの団体は、世界中で1年間に1億人から2億人の人々が大麻を使用しており、約3000万人が大麻を毎日使用していると推定している。

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Source: iNewp Media Press
DEA: Cannabis Is Still Dangerous and Addictive
Posted on09 July 2011

翻訳とコメント by 年末だらだら戦士ゴブリン
薬物に関する政策決定は非常にバランスが難しい。その薬物の危険性と罰則のバランスをしっかりと見極めなければならない。役所の「安全性が確認できない」という消極的な決定により守られる国民の健康と、その決定により逮捕され、受けなければならない社会的制裁。どちらが理性的なのだろう。日本国内の場合に限って言えば、答えは言うまでもないのだが。





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