2011年8月4日 木曜日
『かつてはその人口の殆どが HIV/AIDS または癌の患者であったものが、現在では著しく多彩な領域に広がっている事をこれらのデータは示している。』
カリフォルニア州サンタクルーズ: ジャーナル "Psychoactive Drugs (精神活性薬)" の最新号に掲載された人口データによると、カリフォルニア州で医師の勧告を受けて大麻を使用している患者は、その大部分が痛み、不眠、不安の緩和を目的に使用しているとの事だ。
カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究者らは、カリフォルニア中に開設されている九ヶ所の医療大麻評価クリニックにおける 1,746 件の継続的な入院例についてデータを分析した。
著者らは次のように述べている。「患者が医療大麻を使用する目的として最も多く挙げたものは、痛み、痙攣、頭痛、不安の軽減および睡眠やリラクセーションの改善であった。殆どの患者は二つ以上の治療的有用性のために大麻が処方されていると答えており、そのうちの 4/5(79.3 パーセント)がまず医師から処方された別の薬剤を試していて、そのうちの半数がアヘン剤であった。」
統計の対象となった患者のうち 3/4 が男性であり、3/5 が白人であった。カリフォルニア州国勢調査局による調査結果と比較すると、これらの患者は平均的に幾分若く、正規教育に若干長い年数を掛けており、そして就職率が高かった。
患者全体の 2/5 は医療目的での大麻の使用を試みる前にレクリエーションの目的で使用した経験は無かった。
研究者らはまた次のように報告している。「患者の喫煙率は一般に比べて多少高い傾向にあったが、飲酒率については有意に低かった。違法な薬物、例えばコカイン、メタンフェタミン、ヘロインなどの使用率もまた一般より低い水準にあった。」
これらの患者のうち八割以上が大麻を喫煙により摂取していると答えている(86.1 パーセント)。経口摂取していた者は全体の 25 パーセントであり、気化吸入は 25 パーセント、およそ 3 パーセントが大麻製剤を局所的に塗布していると答えた。
殆どの患者(40.1 パーセント)は一週間に 3 グラム以下の大麻を使用しており、4-7 グラム使用していた者は 36 パーセント、7 グラムを越えて使用している患者は 23.3 パーセントであった。回答者の過半数(56.1 パーセント)は大麻を就寢前に使用していると答えた。
著者らの結論は次の通りである。「医療大麻を使用する患者についての過去の調査と比べ、かつてはその人口の殆どが HIV/AIDS または癌の患者であったものが、現在では著しく多彩な領域に広がっている事をこれらのデータは示している。この人口は新たな患者および医師が大麻の持つ治療的効果を発見するにつれて増えて行くものと予想される。」
より詳しい情報については NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org) にお問い合わせ下さい。調査報告の全文は "Who are medical marijuana patients? Population characteristics from nine California assessment clinics (誰が医療大麻を使用しているのか? カリフォルニア九ヶ所の医療大麻評価クリニックにおける人口構成)" の表題でジャーナル "Psychoactive Drugs (精神活性薬)" に掲載されています。
Source: NORML NEWS
Medi-Pot Most Often Consumed For Pain, Muscle Spasms, Study Says
Thursday, 04 August 2011
翻訳とコメント:PHO
我が国での医療大麻を巡る議論において、比較的良く見られる議論の一つに「重病であり、大麻の他には有効な治療方法を持たない者に限ってのみ使用を認めても良い」と云うものがある。大麻はモルヒネと同じように危険で有害な麻薬であるのだから、止むを得ない場合に限り、医師による厳重な管理の下でならば使用しても構わないだろうというわけだ。それも前提さえ正しければ妥当な結論ではある。前提、「大麻はモルヒネと同じように危険で有害な麻薬である」というのが医学的な事実ならば。それが大変な誤解である事は既に何度も何度も証明され続けているわけではあるが、政府とマスメディアはそれと逆の事を主張しているのであるから、そう信じ込んでしまうのは無理も無い事かも知れない。その毒性の無さを考えれば、本来ならば街のドラッグストアで石鹸やシャンプーと一緒に売られていてもおかしくはない大麻だが、現実とは斯くも不思議なものである。
|