大麻取締法に対する市民的不服従宣言 「議会新聞(平成24年2月8日号)」に寄稿

投稿日時 2012-03-11 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

以下は「議会新聞」(平成24年2月8日)の大麻特集に寄稿した拙文です。
本稿は「大麻草検証委員会」の森山代表からお話を頂き、掲載に至りました。森山の兄貴にガンジャ申し上げる、じゃなくて、感謝申し上げると共に、本稿を311の犠牲となった全ての大麻愛好家に捧げます。
合掌。

本稿は麻生しげる氏による英語訳を大麻報道センター英語版にも掲載しました。


大麻取締法に対する市民的不服従宣言

大麻報道センター主宰 白坂 和彦

大麻取締法は生存権を侵害し、憲法違反である。2003年、敢えて逮捕されての裁判で私はそう主張した。当時、私は先達と共に癌やリウマチなどの病人たちに大麻を提供していた。癌患者は「痛みが治まり食欲が出てよく眠れる」と言っていた。私と先達は大麻栽培や供給をインターネットで公言した。捕まるのは時間の問題だった。

裁判で私の弁護人は、大麻の安全性や医療的有効性を示す海外の権威ある機関の論文(英国科学技術委員会や米国医学アカデミー)などを提出し、『大麻が医療利用され、大麻を使って自己治療している患者が医療効果を享受しているにもかかわらず、大麻取締法をもってこれを禁ずることは患者の生存権を侵害するものである』と述べた。ところが大阪地裁判決は、『被告人は、捜査、公判を通じて、大麻取締法の非合理性を主張するなど、その態度はよくなく』と、思想の自由を蹂躙する一方、生存権侵害の主張に対しては一言も言及せず黙殺した。私は控訴審と上告においても生存権侵害の主張を続けたが、ついに司法は一切の判断を示さなかった。刑は執行猶予付きで確定したが、どうして納得できようか。どうして遵法精神を涵養できようか。

その後、大麻を「ダメ。ゼッタイ。」とする厚労省所管の天下り法人を私は取材し、「ダメ。ゼッタイ。」大麻情報は15年以上前に同法人が米国から輸入販売していた薬物標本見本の説明書の翻訳であることを突き止めた。そして、同法人の天下り専務理事も、厚労省の担当者も、この説明書の医学的根拠は不明だと認めた。私は「厚労省が持っている大麻情報の全て」を情報開示請求で入手し、同省が大麻に関する国際的な医学的知見を全く認識していないことを明らかにし、ネットでも公開した。

この春、大麻取締法違憲論を主張する者の、ある裁判が終結した。これまで同種の裁判で、裁判所は必ず昭和60年の最高裁決定を判例として引き、違憲論を退けてきた。しかし、現在の科学的知見の前にその判例はもはや通用しない。弁護側は多数の科学論文でそう立証した。私も証人として立ち、「ダメ。ゼッタイ。」に医学的根拠はないこと、厚労省が大麻の医学的知見について認識していないことなどを証言した。が、やはり、最後までまともな審理は行われなかった。私は最高裁に「大麻取締法に対する市民的不服従宣言」と題する異議申立書を提出し、この裁判支援を終えた。

三権は分立していないし、司法は独立していない。






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