急性アルコール離脱症の実験モデルでカンナビノイドの神経防護作用が判明

投稿日時 2012-05-02 | カテゴリ: NORML News

「実験の結果、内在性カンナビノイド系の刺激で、アルコール離脱時に生じる過剰な興奮が抑えられる可能性」

フランス カーン:オンラインに掲載されたパブリック・ライブラリー・オブ・サイエンスの研究誌(PLoS ONE)のデータよれば、エタノール離脱症状のインヴィトロモデルにおいて合成カンナビノイド作用薬 HU-211を投与すると、神経細胞死が減少するという。

フランスのカーンにあるINSERM医療研究センターおよびスペインマドリードのコンプルテンセ大学の研究者らで構成される国際チームは、培養下での合成カンナビノイドHU-211のanti-excitotoxic 作用を評価した。研究者らは、エタノール離脱症状のモデルを使った実験で、カンナビノイドの投与によって神経細胞が細胞死から守られることを実証した。それに反して、同症状下でカンナビノイド作用薬(リモナバント)を投与すると、細胞死の可能性が高くなった。

研究者らは、「今回の観察の結果、内在性カンナビノイド系が刺激を受けると、アルコール離脱時に生じる過剰な興奮が抑えられる可能性があることが初めて分かりました」とし、「それに反して、内在性カンナビノイド系を妨害するのは、アルコール離脱症下では逆効果のようです」と結論付けた。

人間では、アルコール依存の被験者にアルコールの摂取を突然中止させると、震えや精神錯乱、脳障害、死につながる可能性がある。

過去にあった別の前臨床試験では、使用した実験動物において、向精神性のないオーガニックのカンナビノイド、カンナビジオール(CBD)の投与が、脳梗塞や、エタノールに起因する神経毒性(アルコール中毒症)に対する神経防護効果を持つことが立証された。

2009年~2010年には、サンディエゴにあるカリフォルニア大学の研究者らによる一組の研究で、アルコールおよびマリファナを使用した経験を持つヒトの被験者がカナビスを消費すると、白質統合性の減少や記憶の喪失など、アルコールに起因する脳異常などを相殺する可能性があることが報告されている。

詳しくは、NORML副理事ポール・アルメンターノ(メール: paul@norml.org)まで。この研究の全文 "Pharmacological Activation/Inhibition of the Cannabinoid System Affects Alcohol Withdrawal-Induced Neuronal Hypersensitivity to Excitotoxic Insults"は、オンライン研究誌PLoS ONEに掲載されています。

Source: NORML News
Cannabinoid Shown To Be Neuroprotective In Model Of Acute Alcohol Withdrawal
Thursday, 08 September 2011

翻訳:bongyo





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