医療大麻法の対応疾患

投稿日時 2012-05-16 | カテゴリ： カナビス・スタディハウス　author: Dau,

アメリカの州、カナダ、オランダ
医療カナビス法の対応疾患


Source: Americans for Safe Access
Subj: How to Become a Legal Medical Marijuana Patient
http://www.safeaccessnow.org/article.php?list=type&type=127

オランダの場合を除けば、医療カナビス法の最大の目的は、医療目的でカナビスを使用しても逮捕や起訴されないことなので、必ずしも患者が良質の医療カナビスを利用しやすくして最大の恩恵を受けられるように意図しているわけではない。

また、医療カナビスの嗜好利用や横流しを防ぐことに重点が置かれているために、症状や疾患も重度のものが対象になっており、医師の推薦状が必須になってい る。つまり、医療カナビス法は、患者にとって最適な治療を選択することを前提に作られているわけではなく、さまざまな医薬品を試しても効果のなかった場合 の最終選択肢として位置付けてられている。

このために、医療カナビス法の適応疾患は、カナビスの持っている医療効果や可能性をそのまま表しているわけではない。実際には、カナビスにはリストに掲載されていないさまざまな症状に効果があり、予防医療的に 恒常性を保つこと にも大きな効果があることがわかっている。

また、医療カナビス法で重要なことは、天然のハーバル・カナビスが対象になっていることで、マリノールやサティベックスのように製剤化されたものは含んでいないことにも注意しなければならない。ハーバル・カナビス は、製薬会社による専門的な処理がなくても十分に安定した大きな効果が得られるので、これらは治療上も制度的にも別のものして考える必要がある。

さらに、医療カナビス法は、患者に最良の医療を提供することが目的になっているわけではないので、医療カナビスの供給面についてはほとんど何も配慮されていない。これは国内法ばかりではなく国際法の制約によるところが大きい。

国連の単一条約２８条 で は、医療目的のすべてのカナビスは政府機関がコントロールすることを強制しているので、オランダやカナダでは政府が医療カナビスを供給している。しかし、 品種や製品が限定されていて選択肢がないなどの問題があり、カナビスの医療効果を最大限に引き出す体制にはなっていない。この点ではコンパッション・クラ ブやディスペンサリーのような民間による供給のほうが対応力が高く適しているが、国際法とは相容れない状態になっている。

 

 アラスカ州 衰弱状態
  1. 癌、緑内障、ＨＩＶ陽性、エイズ
  2. 以下の症状を一つ以上持つ慢性あるいは衰弱性疾患
    1. 悪液質
    2. 深刻な痛み
    3. 深刻な吐き気
    4. 癲癇などによる発作
    5. 多発性硬化症などのよる持続的筋肉けいれん
  3. 州法にもとづいて担当当局が認めたその他のあらゆる症状および疾患
 カリフォルニア州 深刻な状態
  1. エイズ
  2. 拒食症
  3. 関節炎
  4. 悪液質
  5. 癌
  6. 慢性痛
  7. 緑内障
  8. 偏頭痛
  9. 多発性硬化症などによる持続的筋肉けいれん
  10. 癲癇などによる発作
  11. 深刻な吐き気
  12. 下の条件に合致するその他のあらゆる慢性または持続的症状
    1. アメリカ身体障碍者法に規定された主要な生活活動の能力が一つ以上大きく制限された状態
    2. 医療カナビスを使わなければ、患者の安全や身体あるいは精神に深刻な害が予見される場合
 コロラド州 衰弱状態
  1. 癌
  2. 緑内障
  3. ＨＩＶ陽性
  4. 治療中に伴って引き起こされた衰弱症状
  5. 以下の症状を一つ以上持つ慢性あるいは衰弱性疾患
    1. 悪液質
    2. 深刻な痛み
    3. 深刻な吐き気
    4. 癲癇などによる発作
    5. 多発性硬化症などによる持続的筋肉けいれん
 ハワイ州 衰弱状態
  1. 癌、緑内障、ＨＩＶ陽性、エイズ
  2. 以下の症状を一つ以上持つ慢性あるいは衰弱性疾患
    1. 悪液質または消耗症候群
    2. 深刻な痛み
    3. 深刻な吐き気
    4. 癲癇などによる発作
    5. 多発性硬化症、クローン病などのよる深刻な持続的筋肉けいれん
  3. 医師または必要な要件を満たす可能性のある患者から法の規程にもとづいて要請されたその他のあらゆる症状および疾患で、保険局が認めたもの
 メイン州 慢性または衰弱状態
  1. 以下の治療に伴う持続的な吐き気、嘔吐、消耗症候群、食欲減退
    1. エイズの治療
    2. 癌の化学療法または放射線治療
  2. 緑内障による高眼圧
  3. 癲癇などの慢性または衰弱性疾患に関連する発作
  4. 多発性硬化症などの慢性または衰弱性疾患に関連する持続的筋肉けいれん
 メリーランド州  
メリーランド州の医療カナビス法は、医療カナビス患者による法定での積極的抗弁条項を備えているだけなので、医療カナビス患者になるためには医師の正当な 推薦状を得ることだけで、他の手続きは求められていない。従って、登録料やＩＤカードがなく、適応疾患・病状リストもない。さらに、メリーランド州の医療 カナビス法では、有資格者であることを証明するような正規の書類や、医療カナビスを推薦してくれる医師の見つけ方などについては何も触れていない。
 モンタナ州 衰弱状態
  1. 癌、緑内障、ＨＩＶ陽性、エイズ
  2. 以下の症状を一つ以上持つ慢性あるいは衰弱性疾患
    1. 悪液質または消耗症候群
    2. 激しい痛み、慢性痛
    3. 深刻な吐き気
    4. 癲癇などによる発作
    5. 多発性硬化症、クローン病などのよる持続的筋肉けいれん
  3. 州法にもとづいて担当当局が認めたその他のあらゆる症状および疾患
 ネバダ州 慢性または衰弱状態
  1. エイズ
  2. 癌
  3. 緑内障
  4. 以下の症状を一つ以上持つ疾患
    1. 悪液質
    2. 多発性硬化症などのよる持続的筋肉けいれん
    3. 癲癇などのよる発作
    4. 深刻な吐き気
    5. 深刻な痛み
  5. 以下の症状を持つ疾患
    1. 州人材開発局の健康事業部によって慢性または衰弱状態と分類されたもの
    2. 州法の規程に従って請願書が提出され、認められた慢性または衰弱状態
 ニューメキシコ州 衰弱状態
  1. 癌
  2. 緑内障
  3. 多発性硬化症
  4. 客観的な痙縮を伴う脊髄神経損傷
  5. 癲癇
  6. ＨＩＶまたはエイズ
  7. ホスピスでのケア
  8. 将来、保険局が認めるその他のあらゆる症状、疾患
 オレゴン州 衰弱状態
  1. 癌、緑内障、ＨＩＶ陽性、エイズ
  2. 以下の症状を一つ以上持つ疾患
    1. 悪液質
    2. 深刻な痛み
    3. 深刻な吐き気
    4. 癲癇などによる発作
    5. 多発性硬化症などのよる持続的筋肉けいれん
  3. 州法の規程にもとづいて担当当局が認めたその他のあらゆる症状および疾患
 ロードアイランド州 衰弱状態
  1. 癌
  2. 緑内障
  3. ＨＩＶ
  4. エイズ
  5. Ｃ型肝炎
  6. 州法の規程にもとづいて、将来、保健局が認めてリストに追加するその他のあらゆる症状および疾患
  7. 以下の症状を一つ以上持つ慢性あるいは衰弱性疾患
    1. 悪液質または消耗症候群
    2. 深刻な衰弱性慢性痛
    3. 深刻な吐き気
    4. 癲癇などによる発作
    5. 多発性硬化症やクローン病などによる持続的筋肉けいれん
    6. アルツハイマー病による興奮
 バーモント州 衰弱状態
  1. 癌、エイズの末期ケア
  2. 癌、エイズ、ＨＩＶ陽性、多発性硬化症、において
    1. その治療の結果、深刻な持続的で頑固な症状が残った場合
    2. 相応の標準的な治療を相応の期間行っても症状が改善しない場合
 ワシントン州 末期または衰弱状態
  1. 癌、ＨＩＶ、多発性硬化症、癲癇などの発作性疾患、痙縮
  2. 頑固な痛み　（標準的な治療法でも痛みが緩和されない場合に限る）
  3. 急性または慢性緑内障　（標準的な治療法でも眼圧が上昇する場合に限る）
  4. 衰弱症状を伴うクローン病 （標準的な治療法で緩和されない場合）
  5. 衰弱的な吐き気または頑固な痛みを伴うＣ型肝炎 （標準的な治療法で緩和されない場合）
  6. 吐き気、嘔吐、消耗、食欲喪失、さしこみ、発作、筋肉けいれん、痙縮を伴う拒食症を含むあらゆる疾患 （標準的な治療法で緩和されない場合）
  7. ワシントン州医療の質保証委員会が正式に認めたあらゆる疾患
 カナダ 他に治療法のない深刻な疾患
  1. 多発性硬化症：　激痛と筋肉けいれんの症状緩和
  2. 脊髄損傷：　激痛と筋肉けいれんの症状緩和
  3. 脊髄疾患：　激痛と持続性の筋肉けいれんの症状緩和
  4. 癌：　激痛、悪液質、無食欲、体重減少、激しい吐き気の治療
  5. ＨＩＶ/エイズ：　激痛、悪液質、無食欲、体重減少、激しい吐き気の治療
  6. 重度の関節炎：　激痛の治療
  7. 癲癇：　発作の治療
 オランダ 他に治療法のない深刻な疾患
  1. 多発性硬化症、脊髄損傷の伴う痛みやけいれん
  2. 癌、ＨＩＶ、エイズに伴う痛み、吐き気、食欲喪失、体重減少
  3. 癌、エイズの伴う集中力の喪失
  4. 癌治療、ＨＩＶ感染、エイズに伴う吐き気や嘔吐
  5. 痛み: 神経システムに起因する慢性痛
  6. ツーレット症候群に伴うチック

Ｄｒ．ミクリヤ、医療カナビス適応疾患リスト
カリフォルニア医療カナビス条例１０年、ミクリヤ医師が経験したこと  (2006.11.4)
カナビスはアンチ・ドラッグ、カナビス・ドクターたちの証言  (2006.11.11)
カナビスの副作用、カナビス・ドクターたちの証言  (2006.11.17)
 

【転載元】カナビス・スタディハウス／アメリカの州、カナダ、オランダ　医療カナビス法の対応疾患


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