2012年5月17日(木)
カリフォルニア州サンディエゴ ー 『カナダ医療協会(CMAJ)ジャーナル』で今週発表された臨床試験データによると、大麻の吸入で、治療効果のない多発性硬化症(MS)の患者の筋けいれんや痛みが緩和するという。
カリフォルニア州立大学サンディエゴ校の研究者らは、従来の医療で効果を得られなかったMS患者30名に大麻たばことプラセボを使用し、評価した。その結果、被験者の筋けいれんが修正版アシュワース尺度で減少しており、痛みの数値も視覚的アナログ尺度で減少したという。
研究者らは、「大麻たばこは、治療効果のない筋けいれんの患者の症状を緩和し、痛みを軽減した点で、プラセボよりも効果があったと言えます」と結論した。
また研究者らは、大麻吸入が、短期的な「急性認知効果」にマイナスに関係すると警告。しかし同時に、「その結果が臨床的にどれほど重要なのかは、わかりません。(というのは)患者の方々は、年齢や教育レベルを鑑みても、正常な範囲内だからです」と語った。総じて研究者らは、大麻療法は「一般的に良好な耐性を示している治療法です」と述べている。
この臨床試験は、カリフォルニア州立医療大麻研究センターが資金提供した最近の研究の1つで、治癒困難なさまざまな病状の治療における大麻の短期的な安全性と効能を実証するものだ。
また別の臨床試験では、MS患者に大麻エキスを経口で投与して評価をおこない、大麻がこの病気の症状を長い間緩和でき、進行を鈍らせるように作用することがわかった。天然の大麻エキスを含んだ経口スプレー サティベックス(Sativex)は現在、カナダ、ドイツ、イギリス、ニュージーランド、スペインなど10数カ国で、MSに関連する症状の治療について、その処方が合法になっている。それにも関わらず、米国多発性硬化症学会は、薬用大麻がMSの治療法になる可能性にはかなり冷ややかで、次のように述べている。
「これまでの研究では、大麻やその副産物などがMSの症状に有効だということは十分に証明されていません」
詳しい情報は、NORML副理事長ポール・アルメンターノ(メールpaul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 「多発性硬化症の痙攣と大麻喫煙:プラセボ試験との対照試験(Smoked cannabis for spasticity in multiple sclerosis: a randomized, placebo-controlled trial)」 は、カナダ医療協会ジャーナル(Journal of the Canadian Medical Association)に掲載されています。
Source: NORML News
Study: Inhaled Cannabis Reduces Symptoms In Patients With Treatment-Resistant Multiple Sclerosis
Thursday, 17 May 2012
翻訳とコメント:bongyo どこの反対派もいつも情報を聞き入れない、理屈に合わない態度ですね。またそれがまかり通るのが摩訶不思議。一体どれだけの研究で十分だと言うのでしょうか。
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