大麻治療の普及で処方鎮痛剤が原因の死亡事故減少の可能性

投稿日時 2012-06-19 | カテゴリ: NORML News

2012年1月5日 木曜日
「神経痛の治療にオピオイドを使用している医師は、大麻を用いての治療が患者に適しているかどうかをまず評価し、もし適切ならばオピオイドを使用する前にそれを処方するべきだ。」

カリフォルニア州サクラメント:神経痛の患者にオピオイド(訳註: アヘン類縁物質)を処方している医師は、その代替医療として大麻の使用を勧める事を考えるべきである。そのような論文が今週、査読付きの学術誌である "HarmReduction" に掲載された。

論文では次の事が明言されている。「神経痛の治療において大麻およびカナビノイドを用いる事は、オピオイドの投与に対して安全性が高く効果的でもあり、その事には十分な根拠がある。薬用大麻が合法であるような州において神経痛の治療にオピオイドを使用している医師は、大麻を用いての治療が患者に適しているかどうかをまず評価し、もし適切ならばオピオイドを使用する前にそれを処方するべきだ。神経痛の緩和においては、オピオイドの代替として大麻を処方する事によって処方薬の鎮痛剤を原因とする死亡率が減少する事が期待され、またそれは効果的なハーム・リダクション方策でも有り得る。」

著者は論文の中で次のように指摘する。「1996年から2006年の間にオピオイド系鎮痛薬の過剰摂取により死亡した人数は凡そ6万5000人であった。一方、大麻の過剰摂取で死亡した者は過去に一人も居ない。」

これまでに行われた複数の臨床試験では、様々な原因により標準的な鎮痛剤に反応しないような神経痛を患う被験者において、大麻の喫煙ではそのような痛みが緩和されたとの一貫した結果が出ている。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の医学研究者らは11月、モルヒネまたはオキシコドンの処方されている患者において、その鎮痛作用が大麻の喫煙により増強されたと報告している。彼らの推測するところでは、大麻を併用する事でオピオイドの投与量を減少させる事が可能であり、従って患者の受ける副作用も軽減されるのではないかとの事であった。

神経痛の患者は米国人口に対して5パーセントから10パーセントの範囲で存在している。その症状は多くの場合、従来の鎮痛剤や非ステロイド系消炎剤などが効果を表さない。

より詳しい情報については NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせ下さい。論文 "Prescribing cannabis for harm reduction (ハーム・リダクションの為の大麻処方)" の全文は http://www.harmreductionjournal.com/content/pdf/1477-7517-9-1.pdf に公開されています。

Source: NORML News
Wider Use Of Cannabis Therapy Could Reduce Prescription Pain Drug Deaths
Thursday, 05 January 2012

翻訳とコメント:PHO 期待する効果も得られないままオピオイドすなわちアヘン製剤を処方し続けるというのは、単に無意味であるばかりではなく、その副作用から有害でもある。
もしそこで大麻が有効だと判ったのならば、使うのが当たり前だ。より安全で効果的な治療法が存在するにもかかわらず法律がそれを禁じ、法律が無意味で有害な治療法しか与えないというのでは、それは法律による人権侵害に他ならない。





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