2012年6月7日(木)
ニューヨーク州アルバニー ― 民主党のアンドリュー・クオモ ニューヨーク州知事は月曜日の会見で、公の場所かプライベートかに関わらず、大麻所持に対する刑罰を均衡させようとする議会の動きに支持を表明した。ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグとニューヨーク市警本部長のレイ・ケリーもその動きを支持している。
州法の下では、25グラム以下の大麻をプライベートで所持することは非犯罪で、民事として扱われ、100ドルの罰金が科せられる。一方、公の場所での所持は、いかなる量でも軽犯罪として扱われる。(ニューヨーク州刑法221.10)
刑法221.10の下、ニューヨーク市警は2011年の1年間で、7,500万ドルを費やし、大麻に関わった約50,000人を逮捕した。その逮捕者の多くは、職務質問などで警察に止められ、公の場所で少量の大麻の所持が明らかになったというもの。ニューヨーク州によると、少量の大麻所持で逮捕された州全体の件数の94%はニューヨーク市だ。なお逮捕者の85%以上はアフリカ系またはラテン系だった。
クオモ知事は、現行法は「不条理」で、黒人やヒスパニック系の若者に「偏って」影響していると述べた。
審議中の超党派の法案(上院法案5187号と下院法案7620号)は、可決されれば、少量の大麻所持の罰則が、非犯罪扱いの罰金に均衡される。AP通信社によると、クオモ知事の提案は、公の場所でも大麻の喫煙を軽犯罪にする点で、この2件の法案とはわずかに異なっている。
州議会は、あと3週間続く予定だ。
ColorOfChange.orgと薬物政策同盟(Drug Policy Alliance)などからなる支持者グループは火曜日、ニューヨークで違法に所持品検査されたり、大麻の所持で不当に逮捕されたりしたとされる人々の証言映像を特集した大麻支持キャンペーンをオンラインで開始した。
詳しい情報や証言映像は、以下のウェブサイトをご覧ください。
http://www.drugpolicy.org/NYarrestvideos
Source: NORML News
New York: Governor Endorses Legislation To Halt Tens Of Thousands Of Marijuana Possession Arrests
Thursday, 07 June 2012
翻訳とコメント:bongyo
州法を無視する市警のおこないの背景には、確実に人種差別があるようです。それは、20世紀初頭の大麻禁止の時と同じ。ターゲットになっている黒人やラテン系の若者は、拘留されている間学校や仕事を欠席して除名になったりや失業したり、その後も犯罪歴がついて再入学・再就職の希望も断たれたり・・・それでは結果的に治安の面でも悪影響になりかねません。また、この本文にあるように、このような不当逮捕に注ぐ警察・裁判所の費用も莫大です。社会にとってまったくよい結果をもたらさない、不条理な逮捕を繰り返しているニューヨーク市警。いったい何が正義か。条項によっては賛否両論ありますが、とりあえずはこの法制化を信じたい。
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