2012年2月9日 木曜日
カナダ、モントリオール: ジャーナル "Annals of Epidemiology (疫学年報)"に掲載されたデータによると、資格を持つ患者が大麻を使用する事を限定的に合法とするような州法を制定しても、そのような法律の制定の結果と、法律の枠を超えた幅広い大麻使用との間には、因果関係が殆どあるいは全く見られないとの事である。
モントリオール、マックギル大学の研究者らは、州単位での大麻使用状況の概算として "US National Survey on Drug Use and Health (ドラッグの使用と健康に関する米国全国調査)" の 2002年度版から2009 年度版までを分析した。彼らはそのデータに対して difference-in-differences 回帰モデル (訳注:http://en.wikipedia.org/wiki/Difference_in_differences) を用いる事で医療大麻法と大麻使用の間の因果関係を推定した上で各種のシミュレーションにより推定誤差を求めた。
彼らは次のように報告している。「Difference-in-differences 法による推定結果からは、医療大麻法の成立によって若年者の間での過去一ヶ月の大麻使用量が減少している事が示唆されており、また月々の使用に関して認められた危険性については有意な影響が見られなかった (訳註: ここの perceivedriskiness が一体何を指しているのか全く判りません)。医療大麻法が制定されると若年者の大麻使用率が実際に減少する可能性を、この推定結果は示している。」
「報告された大麻使用と医療大麻法の因果効果について、我々の見出す事のできた形跡は限定的であった。」それが彼らの結論である。
2011年のブラウン大学の研究チームによる調査や、2007年の Texas A&M による調査からも同様な結論が得られており、それらの結論もまた「大麻の自由化に関しての先行する諸研究と同様、医療大麻法の制定によってドラッグの使用率が高まる事はない」というものであった。
マックギル大学による結果はしかし政府の麻薬問題担当長官である Gil Kerlikowske の声明とは対立しており、彼は過去数年来頻繁に「合衆国内のティーンエイジャーにおける大麻使用の自己申告例の多さは、医療大麻法の成立がその直接的原因だ」と言い張っていた。
より詳しい情報については NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)もしくは NORML事務局長アラン・サンピエール (202)483-5500 にお問い合わせ下さい。研究報告の全文は "Do medical marijuana laws increase marijuana use? Replication study and extension (医療大麻法は大麻使用率を高めるのか? 追試験および発展的考察)" の表題で、ジャーナル "Annals of Epidemiology" に掲載されています。
Source: NORML News
Medical Marijuana Laws Have No Discernible Adverse Impact On Adolescents' Use, Study Says
Thursday, 09 February 2012
翻訳:PHO
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