合成カンナビノイドが多発性硬化症の進行を止めるとの研究報告

投稿日時 2012-07-17 | カテゴリ: NORML News

2012.03.01.木曜日

マドリード・スペイン: ジャーナル誌「Neuropharmacology」に掲載予定である前臨床データによると、カンナビノイド作動薬の投与は多発性硬化症の進行を止める効果があるという。


マドリードにあるコンプルテンセ大学の研究者らは、動物の多発性硬化症を通して、合成カンナビノイド作動薬WIN55,512-2の効果について調査した。この治療が病気の進行を抑え、痙攣や震えなど多発性硬化症の症状を和らげると研究者は報告している。

「つまり、EAE(実験的免疫脳隨炎)マウスにおいて、カンナビノイド作動薬WIN55,512-2を用いた治療が神経性の障害を和らげ、病気の進行を遅らせたのだ。この効果はカンナビノイド受容体の活性化を通し作用した。この病気の発病に関連して起こる炎症が和らぐといった良い影響を及ぼすだろう。」と研究 者は結論付けた。

2008年、サンディエゴにあるカリフォルニア大学の研究者たちが、多発性硬化症患者にプラシーボ比較、ランダム化臨床試験を行ったところ、大麻の吸引が痛みの度合いや痙縮の客観的数値を著しく減少させたと報告している。「多発性硬化症患者の痙縮や痛みを和らげることにおいて、大麻の吸引はプラシーボよりも効果が見られた。また、従来の治療よりも効果的であった。」と研究者は結論付けている。

「初期使用の効果を知覚した患者において、(この薬の)長期使用は効果を持続している。」と多発性硬化症患者のサティベックス使用を調査した臨床試験の データは示している。現在、サティベックスは多発性硬化症の治療薬としてカナダ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、スペイン、イギリスで使用可能で ある。

2004年に発表されたジャーナル誌「Neurology」の調査データによると、およそ7人に1人の多発性硬化症患者が病気の症状を治療するために大麻を使用している。と報告した。

Source: NORML News
Synthetic Cannabinoid Halts Progression Of Multiple Sclerosis, Study Says
Thursday, 01 March 2012

翻訳とコメント by 愛のごぶりん
訳者はかつて教育機関に勤めており、薬物関連の授業をする機会が何度かあった。「悪魔の葉っぱ」「ダメ・ゼッタイ」などなど強烈イメージに彩られたメッセージのみを生徒に伝えなければならなかった。そこには生徒に考える余地を与えるということは許されていない。いろいろな角度から真実を伝えていくのが教育の役割だと私は強く信じている。薬物の功罪についてもしかりである。大麻を使用し難病と闘っている人たちが大勢いる。そんな事実を考慮して大麻というものを考える薬物教育があって然るべきである。





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