大麻、PTSD患者のトラウマの記憶を和らげる効果の可能性

投稿日時 2012-07-24 | カテゴリ: NORML News

2012年7月5日(木)

ドイツ ハノーバー ― 科学的ジャーナル『薬物試験と分析』(Drug Testing and Analysis)のオンライン版で公表された臨床・前臨床エビデンスのレビューによると、大麻やカンナビノイドを使用すると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)関連の症状を軽減する可能性があるという。


ドイツおよび米国、英国の研究者らから成る国際チームは、19歳男性のPTSD患者に大麻を使用し、症状が「大幅に軽減した」ことを報告した。報告によると、「今回のレビューの症例報告では、患者は、PTSDの結果として、不安や解離、重いフラッシュバックなどの深刻な病状を呈していた。・・・患者によると、大麻のほうがロラゼパムよりも有益だということだった。・・・患者のストレスやフラッシュバックとの関わり、不安症の多くが軽減したことは、病歴からも明らかだ」という。

また報告には、「カンナビノイドがPTSDに関連する重大な症状を軽減する可能性があるという証拠を、臨床・前臨床の両面で蓄積している」とも述べられている。

結論では、「大麻は、PTSD患者の休息や睡眠を助長したり、不安を緩和したり、フラッシュバックに入り込まないようにしたりする相乗的な効果によって、強烈なトラウマの記憶や感情面の影響を抑制する可能性がある。・・・カンナビノイドが恐怖消去や抑うつ効果に何らかの役割を果たしているという証拠は、ますます蓄積されている。結果、PTSDにおけるカンナビノイドの潜在的な治療効果を評価するために、さらに研究を重ねるべきだ」としている。

昨年、保健社会福祉省の国立薬物乱用研究所(NIDA)の研究者らは、アリゾナ大学の研究者らによる、50名のPTSD患者のカナビスの使用を評価する、食品医薬局(FDA)承認済のプラシーボ対照臨床試験の実施を阻止した。

連邦法下では、大麻に関わる臨床試験評価はすべて、NIDAの承認を得なければならない。それはNIDAが、FDA承認の研究目的での大麻の合法的な取り扱いを独占しているからだ。NIDAのスポークスマンは2010年、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに対して次のように述べている。「大麻の使用については、主にマイナスの結果に的を絞っている。NIDAは、医療用に有効な大麻の効能の潜在性に注目する研究には資金提供していない」

詳しい情報は、NORML副理事長ポール・アルメンターノ(メール paul@norml.org)にお問い合わせください。また、この研究の全文"Mitigation of post-traumatic stress symptoms by Cannabis resin: A review of the clinical and neurobiological evidence"は、オンライン版ジャーナル"Drug Testing and Analysis"に掲載されています。

Source: NORML News
Cannabis May Mitigate Traumatic Memories In Patients With PTSD
Thursday, 05 July 2012

翻訳とコメント:bongyo
3.11のトラウマを抱えている多くの被災者を救う可能性がここにも。
除染や、燃料としての利用など、今の日本でこの植物を有効利用しない手はありません





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