サル・パラダイス
この本ね、例えば、白坂さんとか、大麻堂の麻枝さんとか、赤星さんといった方が書いたとしたら、まあそうだねってところなんですけど、この船井幸雄氏が書いて出版したということが歴史的にものすごいことなんですね。
要するに大麻畑でない大物が大麻解放を叫んだという点でね。2年くらい前に中部大学の武田教授の「大麻ヒステリー」という名著もありましたが、それより圧倒的に僕にはインパクトがあります。「大麻ヒステリー」が表紙が地味だったってこともあるのだけど、船井氏は何しろ著者の名前だけで本が売れてくし、個人的にも好きでけっこう読んでましたからね。
船井幸雄先生といえば船井総合研究所の創業者であり、経営コンサルタント会社としては世界ではじめて株式を上場しています。その手法としては、「地域一番店戦略」が有名で、東武百貨店が池袋に東洋一の百貨店をリニューアルオープンした際もそれがベースになっているそうです。
まあ、経営の神様みたいな感じだったわけなんですけど、僕が彼の著作を読みだしたころは、20年前くらいかな、そういう経営のことよりも前向きな未来予測に共鳴してまして、もう宇宙との調和とか、全てに感謝とかプラス思考とかそういった内容のものになるほどと感心してたわけです。
著作で言えば、「これから10年大予測」、「百匹目の猿現象を起こそう」「人類と地球のアセンション」といったようなもので、まあ、彼も自分もスピリチュアルな方向へと傾倒していった時期ですね。
ただ、経営コンサルタントとして当然一級の方であり、その豊富な人脈からの情報、するどい洞察力、真贋をみきわめる直観力、そういったものはさすがであり、どの本で言われていることも説得力に富んだものでした。
そして、さらにこの本「大麻取締法の真実」のすごいと思うのは、大麻そのものを礼賛した本でなくて、大麻取締法にフォーカスしてること。
船井先生自身は大麻を使用したことは無いとのことで、自分が今まで関わってきた人々からの情報や今回収集した情報より客観的に分析して、この法律はおかしく、日本人にとって益になってないという結論を導き出してるんですね。
大麻がいかにすばらしいかを書いた本というのはたくさん出ていますが、それを世に出すために大麻取締法を変えようというところまで踏み込んで、体系だってまとめた本というのはなかなか無いと思います。
もう、船井氏には、大麻が世界的に解禁されていくビジョンがはっきり見えているんだと思います。その上で、今や先進国で優等生的にこの大麻取締の法律を守っている日本をおかしいと提唱しているのです。
このことでの経済的損失、逆に法を変えて広く使用できることによる経済効果も計算できるし、なにより大麻を解放することが人類の幸福へつながっているととらえています。
近年、彼は本物商品の追及をしていますからね。体によくて、環境を破壊しない物、塩等の食品、あるいは器具とかね。
僕自身もこの本を読んで、日本の大麻取締法はおかしいとあらためて思いました。早急に無くすか少なくとも時代にあったように改正すべきです。
(つづく)
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