インドネシアのバリ島にあるクロボカン刑務所に収監中のマナリ亭茶楽助さんが、その前にインドでパクられて収監されていたときの回想記の続きです。刑務所のなかで吸い放題。世界は広い。日本は狭い。初めから読みたい方は、
新連載!初めてインドでもって逮捕された時の事 その1
初めてインドでもって逮捕された時の事 その2
からどうぞ。
・・・こんな記事もあります。
【懲役】刑務所の中でハシシ作り【軽作業】
ーある日の生活ー
6:00 起床
ジェイル内に三つある房の扉が開け放たれる。中庭を通り他の房へも行き来ができる。まだ寝ていたい者たちはいつまでも寝ていられる。起床の強制は無い。しかし新入りの俺や他数人は房内の通路や中庭の掃除をする。
オールドマナリ 茶楽助の巣 2004年頃 茶楽助、ぼんず頭。
7:00 チャイの配給
係りの囚人が中庭にチャイの入った大きな薬缶を持ってくる。我々はそこに並ぶ訳だが、モチロン横入りする輩はいる。減糖減乳のチャイを飲みつつ一服。その後ヨガの真似事などしてみる。
茶楽助の巣の中 茶楽助とその友人
9:00 食事の配給
係りの囚人が中庭で味の薄い水っぽい豆カレーと冷めた飯を配る。俺とジミーと他の3人はそれにトマト玉葱を切り炒めた物を混ぜ作り直し、まだ食べずにとって置く。ブラブラしつつ誰かジョイントを吸ってる奴を捜し歩く。
巣の前に生えてる木
12:00 昼食
とって置いた食事を食らう。食事もジェイル内の少ない楽しみの一つである。
14:00 掃除
(俺を含む)新入りは房内の通路や中庭を掃除する。
15:00 チャイの配給
また例によって中庭でチャイを給される。どーもこの時間にチャイを飲むとジョイントを吸いたくなる。自分で持っていないとしても誰か持ってる奴を探し出し、ご相伴にあずかる。
その後新入り数人と食事係りの者は夕食作りに取り掛かる。70人分の食事なので結構な労働だが、一息ついた時は皆でジョイントを吸ったりする。
作業後は汗まみれ、チャパティの粉まみれになるので水浴びをする。
茶楽助の家 茶楽助の友達以上、恋犬未満のジミー
17:00 夕食の配給
今度は野菜カレーとチャパティが7枚配られる。俺達はそれもまた作り直す。チャパティ7枚は多い様な気もするがペラペラに薄く端の部分など薄過ぎてまるで紙の様だ。
これもとって置いて後で食す。
18:00 点呼
夕食を作り直し終えた頃には、すぐに点呼の時間になる。
自分の寝床の前に起立し先頭から順に数を発声していく。
俺のとなりのマダーケースのおじさんはヒンディー語を書けぬし読めぬ。点呼の時も自分の番号をしょっちゅう間違っている。学校教育は受けていないらしい。
房の扉が閉じられる。
飯の前にはジョイントをよく吸う。不味い飯をできるだけ美味しく頂けるようにする為だ。
茶楽助の家とオーナーのラジュ
21:00 喫食
俺とジミーと他の3人はこれくらいの時間に夕飯を食う。これくらいの時間になると他のグループの余りのチャパティや野菜カレーが回って来てそれも食うとかなり腹が満たされる。
自分の皿とカップを洗い、そしてまた食後のジョイントを吸う。
とは言えそんなに毎日毎日吸えるものでもない。無い時は無い。
23:00 就寝
これくらいの時間に眠りにつく。 俺の寝床の隣の空きスペースではムスリムの男が毎晩メッカの方向に祈りを捧げている。厳密にはこんな時間は祈りの時間ではないが、まあジェイルだしア・ラーも大目に見てくれるだろう。
「オーハリラーム、ハレラーム、バグワン」
隣のおじさんがインド人らしい寝言を言っている。そおして夜は更けゆく。
茶楽助の家 部屋内
余談だがインドのジェイルにいる時はシンプルな生活、シンプルな食事のせいかチャラスのクオリティーが娑婆にいる時よりもよく解った(気がする)。
インド人ってゆーのは興味のあるモノに対し臆する事無くジロジロと見続けてくる。俺は24時間常に誰かの視線をひしひしと感じていたがそれも慣れれば何とか対応できる。ここにはプライベートタイムは存在しない、朝のウンコ以外は(とは言えドアさえも無いトイレであったが…)。
もし感情の回路を2,3個カットする事ができれば結構楽に過ごす事ができるかも知れぬ。
俺が一度極度のストレスで中庭をウロウロと動物園の虎の様に歩き回っていると、このジェイルのボスとも言える古株の男が「茶楽助!チャラスでも吸うか?」と呼び止めてきた。
彼だけはジェイルの中においても誰に隠れる事も無くジョイントを作って吸う。刑務官も一目置いている。
ジェイル内でもめ事が起っても刑務官が出てくるまでもなく彼が問題を解決してしまう。昔の地回りさんの様なモノだ。
その彼と一緒なら刑務官にチャラスを吸っているのを見られてもお咎め無し。それに彼はチャラスも売っている。
続け
オールドマナリ
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