向精神作用のないカンナビノイドの投与が統合失調症の精神症状を緩和するとの研究報告

投稿日時 2012-10-19 | カテゴリ: NORML News

2012年5月10日(木)
ドイツ マンハイム - ジャーナル Translational Psychiatry で公表された臨床試験データによると、向精神作用のない植物性成分のカンナビジオール(CBD)を投与すると、統合失調症を罹患する患者の精神症状が著しく緩和するという。


ドイツとアメリカの研究者らの国際研究チームは、急性の統合失調症患者におけるCBDとアミスルプライド(強力な精神分裂病治療薬)の臨床的適切性を評価する臨床試験をおこなった。試験は4週間、二重盲式の無作為化試験。

研究者らは、どちらの物質を投与しても臨床的に著しく向上したことを報告。しかし同時に「CBDは副作用において顕著に優れている」ことを認めた。

アミスルプライドは、「統合失調症の治療に現在使用されている薬物の中で最も効果がある」とされている。

研究者らは、「今回の研究の結果、現在の医療と比べ、カンナビノイド模倣剤ではない大麻の成分、CBDには、際立った忍容性と安全性があり、臨床的に適正な抗精神効果があることが証明された。・・・統合失調症の治療に、全く新しいメカニズムの発見となる可能性があります」と結論した。

科学ジャーナル "Current Drug Safety" で2011年に公表された、ヒトにおけるCBDの安全性プロフィールのレビューでは、CBDは、無害で安全かつ、大量に摂取してもヒトにおける忍容性が良好(有害作用・副作用が出たとしても耐えられる程度)であると結論されている。

また、CBDについての別の研究では、抗炎症、抗糖尿病、抗けいれん、抗ガン、骨刺激性などさまざまな治療特性があることが報告されている。

詳しい情報は、NORML副理事長ポール・アルメンターノ(メールpaul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "Cannabidiol enhances anandamide signaling and alleviates psychotic symptoms of schizophrenia" は、以下のサイトに掲載されています。
http://www.nature.com/tp/journal/v2/n3/full/tp201215a.html

Source: NORML News
Study: Cannabis Extracts Mitigate Muscle Stiffness In Multiple Sclerosis Patients
Thursday, 26 July 2012

翻訳とコメント:bongyo
以前(今でもかな)の反対派の主張は、カナビスと精神病の関連性で、完全な証拠のないまま、ハイになったときの感覚と統合失調症様の一部の症状を結びつけて、強引に因果関係を導いている印象だったと思います。で、とりわけこの向精神作用のないCBDが現代の有効薬よりもむしろ有効かもしれないというのは、インパクトがありますね。





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