大麻の唯一の問題は違法であることだ

投稿日時 2007-01-10 | カテゴリ: 検証:カンナビス・メド

カナビスの唯一の問題点

アルコールやその他のドラッグについてわれわれの考え方を再評価すべき時に来ている。

純粋に客観的な観点にたてば、アルコールはリクレーショナルなハードドラッグだと言うことができる。気持ちは鈍くなるし、簡単に深酒に陥るし、攻撃性や不注意、失意にも密接に結びついている。ドラッグをやっている最中の人間は暴力犯罪や事故を起こしやすいが、そも最もたるものがアルコールだ。

アメリカでは、殺人の65%、年間に7万件にも及ぶ学校でのレイプの55%、交通事故死の39%、全外傷性傷害の33%、水死などの事故死の33%、ティーンの自殺の25%にはアルコールが関係している。毎年、アルコール関連の慢性病では15万人が亡くなり、3000人がオーバードーズ(急性アルコール中毒)で死亡している。

しかし、アルコールにもメリットはある。1日に1、2杯程度の節度ある使用ならソフトドラッグのように作用し、社交的になったりリラックスしたりしてしばらくは楽しく過ごすことができる。長期的にも、血圧やコレステロール値を下げたり、心臓発作のリスクを低くしたり、長生きを促すといった好ましい効果もある。

同じようなことが薬局の医薬品にも言える。プラス面もあれば、多くのリスクもある。痛みに対処するには、薬局のアスピリンやアセトアミノファンなどの鎮痛剤は欠かすことはできないが、それで年間1万5000人が死んでいる。抗うつ剤のパキシルは自殺のリスクを高め、抗不安薬のザナックスは中毒性が高い。

また、不眠症のアンビエンは夢中歩行や居眠り運転を引き起こし、関節炎のアダリムマブはガンのリスクを3倍に高める。ぜんそく薬のサルメテロール・フルチカゾンは肺炎を起こすこともある。感染病のテリスロマイシンは肝臓傷害に関係している。最近、皮膚ガン薬として復活したサリドマイドは、恐ろしい出生異常を引き起こすことが知られている。

子供たちには、ADHD薬としてリタリンやストラテラなどが処方されているが、毎年、何千人もが副作用で病院に運ばれ、何百人もの子供たちが自殺しようとして服用したと語り、混乱のなかで死んでいく子供も少なくない。さらに、オレゴン州では、医師が、末期患者に意図して致死性の「医薬品」を処方することさえ認めている。

また、合法的な興奮剤であるカフェインは、コーヒやソーダ、エネルギー・ドリンクとして広く行き渡り、毎日のように子供の含めどの世代にも使われているが、たとえ適度な摂取でも心臓まひのリスクが高まり、5グラム(コーヒー33杯分)以上なら死んでしまう。

このように、われわれの社会は、明らかに危険な薬物の摂取も認めている。つまり、十分な情報を用意した上で、安全に責任を持って使うか、さもなければ使わないかを選択できるようになっている。

ここで振出に戻って、われわれは、何千万人ものアメリカ人が、極めて安全ながら何故か密かに使い続けてきたもう一つのドラッグことを見直さなければならない。そのドラッグとは、カナビスのことだ。

第1に、国中の警察は、カナビスがアルコールとは違って、暴力や無謀な行為を引き起こさないことを認めている。

第2に、連邦の麻薬取締担当のバリー・マカフェリー長官が諮問して設置された委員会が1999年に発表した包括的な報告書では、カナビスが、「明らかな効果を持った医薬品であり・・・化学療法にともなう吐き気やエイズの衰弱、深刻な痛みなどの病状を適切に調整する働きがある」と結論付けている。

また、2004年に発表された研究では、カナビスがガンマヘルペスを阻害し、2005年には、動脈硬化の進行を遅くし、2006年のUCLAの研究では、カナビスの使用が肺ガンを引き起こさず、腫瘍の成長を抑制することも明らかにされた。2006年のオハイオ大学の研究では、アルツハイマーの進行を止めることも示された。

確かに、特定の分野では、カナビスよりも効果の高い医薬品もたくさんあるが、カナビスには毒性がないという他に見られない利点が備わっている。連邦麻薬局自身も、1988年に、カナビスで死亡した事例は歴史上の記録にはないと認めている。

第3に、リクレーショナル使用に関しては、2002年に、独立法人ランド研究所が、カナビスにはゲートウエイ・ドラッグとしての働きはなく、ティーンエイジャーをハードドラッグに導くようなことはないと結論付けている。また、製薬会社のメルクによれば、カナビスの活性成分であるTHCは、アルコールやタバコと違って身体的な依存性を起こさない。メルクの研究者たちは、カナビスに対する反対意見は、「道徳や政治に根ざしたもので、毒物学にもとづいたものではない」 としている。

現在、カナビスを少なくとも医療利用に関しては10以上の州で認めらてきたように、ゆっくりとではあるが、良識ある考え方も支持を獲得しつつある。しかしながら、連邦の立法府は、科学や道徳的な根拠もないのに、依然として、カナビスのユーザーを逮捕して処罰し続けることを望んでいる。

だが、カナビスの個人使用においては、正当な連邦のエージェントがドアを蹴破り、誰の害にもなっていない人をヤクザのように扱い、逮捕して財産を没収しなければならない理由などない。70年以上におよぶカナビス禁止法で、アメリカ市民は、法の不公平ゆえに残酷で常道を逸した処罰に苦しんできた。

投獄されるのは、われわれを脅かす殺人者やレイプ犯、虐待犯、泥棒、さらに、アルコールやカナビスや睡眠薬の影響下で運転をする人間たちに絞るべきだ。

さらに言えば、この秋、国連は、過去30年の栽培技術の進歩でカナビスの効力が5倍になって危険が増えているとして、地球的規模でさらなる抑圧政策を取ることを主張している。しかし、この主張なナンセンスだ。これは、ウイスキーとビールのことを考えてみれば明らかだ。ウイスキーはビールよりも8倍も効力があるが、人々は単に摂取量を調整して望む酔いを得ている。効力の違いで逮捕されたりしない。

もし、政府が本当にカナビス問題を解決したいのなら、タバコ農家にカナビスの栽培を認め、政府は税金を得て、FDAがそれを監視すればいい。アルコールの会社にカナビスの販売を認め、警察はそれをコントロールし、大人にはカナビスを使えるようにすればいいのだ。カナビスをめぐる唯一の問題は、違法であることだけだ。

Source: Orange County Register
Pub date: 31 Dec 2006
Subj: Marijuana's Only Problem
Author: Chip Parkhurst
http://www.mapinc.org/norml/v06/n1751/a06.htm

カナビス・スタディハウスからの転載です






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