大麻の過剰規制は日本国と日本人の大いなる不利益

投稿日時 2007-01-11 | カテゴリ: 検証:カンナビス・メド

大麻は、世界的な視野で見れば、間違いなく規制緩和の流れにある。嗜好目的だけでなく、産業的な利用においても同様だ。
個人の大麻少量所持が非犯罪化されている国も多いが、反大麻論者のなかには、非犯罪化は合法化ではないと主張する者もいる。
大麻は、先にレポートした薬物政策研究者氏の論稿にもあった通り、麻薬単一条約という国際条約によって規制されている。だから、この国際条約を批准している国では大麻の合法化はできない。合法化はできないが、どのような規制内容にするかは各国政府に裁量の余地があり、麻薬単一条約批准国でも非犯罪化政策は成立している。

メドさんは言う。

英国の薬物濫用諮問委員会の言葉を使えば、『大麻は疑いなく有害だ』ということです。

http://geocities.yahoo.co.jp/gl/east_106/view?.date=20060130

しかし、その英国では、メドさんがこの文章を書いた2年前、2004年に、個人の大麻少量所持は逮捕しない施策が講じられているのである。
メドさんは別のページにも英国の例を引いている。

日本でも、今まで通りの警察による大麻取締りだけでなく、その有害性を教育・広報する必要が迫られているようです。

英国のように。

「日本の精神病院の現状(2)」http://geocities.yahoo.co.jp/gl/east_106

これは2006年2月1日(水)にお書きになったようだが、この時点で既に英国では個人の大麻少量所持の取り締りなど行われていないのである。メドさんはそれには触れず、日本でも「有害性を教育・広報する必要」がある点のみを説いている。「英国のように」、とか言って。ずるい。日本も、大麻の非犯罪化政策とセットで注意を喚起するなら私も賛成である。英国のように。


「大麻は疑いなく有害」であるなら、酒も煙草も疑いなく有害である。有害でありうるものをどのように規制するか。それがこの問題の本質である。大麻の非犯罪化を主張する者は、少なくとも私たちTHCは、大麻に全く害がないなどという主張をしているのではない。アルコールや煙草よりも害がない大麻を、逮捕や懲役といった刑罰を以って規制するのはあまりにも過剰であり、人権侵害ですらあると主張しているのだ。
メドさんは、続けて大麻と日本脳炎の比較に果敢な挑戦を試みている
引用。

大麻が起こす統合失調症も、入院がしばしば必要になる、本人も家族も長期に苦しむ重い病気です。

大麻が統合失調症を起こすという断定への反論は稿を改めるとして、メドさんの結論はこうである。

保健行政の観点から、(もちろん両方大事なのですが)「危険を1%減らす大麻使用追放」と、「危険を0.3~0.03%減らす日本脳炎予防」は、どちらのほうが大事でしょうか?
答えは明らかです。

私には意味が分らない。統合失調症になる可能性が1%増える危険を理解した上で、個人の意思で使うことも使わないこともできる大麻と、個人の意思とは無関係に罹患する病の予防接種の効果とを比較して、果たして何の意味があるのだろう。このような数字はいくらでも出せるだろう。例えば、アルコールを禁止にすれば、肝臓疾患の発症率を相当に抑制できるだろうし、煙草の所持も懲役刑で取り締れば、癌になる人の数も相当に減るだろう。だが、メドさんは、アルコールや煙草といった嗜好品の危険性とではなく、何が言いたいのか、大麻規制と日本脳炎の予防接種の効果を比べるのである。本質的に別物だと客観的な比較はできないと言いながら、大胆である。


そもそも、メドさんが断定するように、大麻の使用は統合失調症を起こすのだろうか。

(つづく)






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