ワシントンDC発-2012年11月14日
By DEVIN DWYER (@devindwyer)
オバマ大統領は嗜好大麻が合法化された2州(ワシントン州、コロラド州)に関して、連邦政府としてはその取締りを最優先事項としない方針を14日、ABCニュースのバーバラ・ウオルターズ記者に明らかにしました。
大統領によると、司法省としても今回の嗜好大麻合法化は「麻薬戦争」の一端としては捉えていないことを明確化しました。
住民投票で州政府により決定された嗜好大麻利用者を処罰する意向のないこともこのインタビューで明らかになりました。これは、医療大麻に関してオバマ氏が取ってきたスタンスに酷似しています。大統領は「我々は他にもっと重大な罪を犯している者を処罰する必要がある」とも付け加えました。
オバマ氏は「嗜好大麻利用を州政府の見解に逆らってまで取り締まる必要はない」とも語りました。
今回の大統領による大麻に関するコメントは、ワシントン、コロラド両州で嗜好大麻が合法化されて初のことで、依然として連邦法と州法の軋轢が大麻擁護派、反対派の間で様々な物議と憶測をよんでいます。
連邦政府の麻薬取締法では大麻はスケジュール1にカテゴライズされており、これでは常習性の高いヘロインや、事故死を招くことのあるエクスタシー等と同列の扱いです。
オバマ氏はウオルターズ記者に対し、このようにも語っています。
「この時点では - まだ私は大麻を広範囲に合法化することに賛成ではありません。しかしながら、民意は反映されました。これ以上州で合法化が決定された大麻の取り締まりに税金を投入することには賛成ではありません」
「これは非常に厄介な問題です。まだ下院で法改正が行われていません。だから、なんらかの話し合いの場を州政府と設けなければなりません。州法と連邦法の食い違いにより、歩み寄りが困難な状況です」
大統領は更に、エリック・ホルダー司法長官に州法と連邦法の食い違いについて見解を聞いたと述べました。そして
ホルダー長官は「いくつかの検討事項があります。若者に大麻が蔓延する危惧と、国際間で取り決めた条約(訳注:麻薬単一条約のことか)は無視できないという現状があります」とコメントした。
政治家としては、オバマ氏は一貫して嗜好大麻の合法化には反対をしてきた背景があるが、自身の大麻との関わりをずいぶんと省略している様子。オバマ氏の伝記作家によると、大統領は高校生時代に大麻同好会のようなものを催し、「不満の会」とか「チューム・ギャング」と呼ばれていた、とのこと。
「私は自分の若い頃に後悔するようなこと沢山やってきました。私の立場としては、薬物依存は子供たちの為に良くないし、社会全体にとっても良くない、という姿勢です」とオバマ氏はウオルターズ女史に語りました。
そして、「私はあらゆる薬物使用に反対します」とも付け加えました。
オバマ大統領府は州によっては合法な小規模大麻農家や患者は取締りの対象としてはいないものの、医療用の大麻の弾圧をまったく繰り広げてないとはいえません。むしろ、ジョージ・W・ブッシュ政権時よりも攻撃的な姿勢が一期目ではみられました。大手のディスペンサリーやグローオペレーションはことごとく潰しました。
今年の初め頃、オバマ氏はローリングストーン誌のインタヴューにこう答えました。
「私は大麻の大規模農業化やオペレーションに関わっている人に免罪符を出した覚えはありません。なぜなら、それが連邦法に抵触するからです」
Source: ABC News
Marijuana Not High Obama Priority
WASHINGTON, Dec. 14, 2012
翻訳とコメント:麻生しげる
オバマ氏よ、どっちやねん!
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