医療大麻の利用増加により鎮静薬など中毒性薬物の使用が減少する可能性

投稿日時 2012-12-18 | カテゴリ: NORML News

2012年8月2日(木)
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア ― 向精神薬ジャーナル(Journal of Psychoactive Drugs)で公表されたレビューによると、 大麻の入手を法規制すると、慢性痛の患者は効果的な治療を得ることができ、処方鎮静薬(アヘン剤)などの薬物の使用による罹患率(訳注 ― 中毒症状発生率?)が減少する可能性があるという。


ブリティッシュ・コロンビア州麻薬中毒研究センター(Centre for Addictions Research of British Columbia)の研究者は、大麻は、ある特定の薬物乱用障害の他、慢性痛の治療に有効な可能性があり、現在使われている薬物の多くに比べて健康面のリスクが少ないと報告。

 

「カンナビノイドは、アヘン剤との併用により、疼痛をさらに軽減し、臨床設定におけるアヘン剤の使用(および関連する副作用)を結果的に減少させる。またカンナビノイドは、アヘン剤の禁断症状や耐性増加を予防し、投薬の効果がなくなってしまっていても、鎮痛作用を再び効果的にさせられる。さらに最新の研究では、カンナビノイドが薬物乱用の治療に有効だということがわかっている。このような発見から、医療大麻を安全に入手する方法が増えれば、アヘン剤の使用増加による中毒症状がもたらす個人的また社会的な危害を減少させる可能性があることがわかる」と報告している。

さらに、「アヘン剤の潜在的な危険性と大麻の相対的な安全性は十分に立証されているため、代替効果に関する研究においても、アヘン系の違法薬物や覚せい剤、アルコール類などといった乱用薬物の使用や依存を軽減するのに大麻が有効である可能性があるとされている。したがって、大麻の入手方法や使用法を拡げることにより大麻や大麻系薬剤の治療面の潜在効果を最大限に発揮させるという策が、処方アヘン剤やその他の危険な鎮静薬、合法および違法な薬物の使用を、また結果的に、関連する危害を減少させられるであろうと考えるのも道理だ」としている。

報告では、次のように結論されている。「連邦政府が規制監督していないにも関わらず、コミュニティー・ベースの医療大麻ディスペンサリーは、治癒をもたらすような環境での医療大麻の安全な供給源の提供に成功してきている。実際、そういったコミュニティーでは、アヘン系調剤やその他の危険薬物の使用が減少している場合もある」

1999年から2007年までの間、65,000人を超える米国民が、意図しないアヘン系鎮痛剤の過剰摂取が原因で死亡している。

今年1月ハーム・リダクション・ジャーナルに掲載されたレビューでも、同じような報告がなされている。「神経障害痛の患者に対してアヘン剤の代わりに大麻を処方すると、処方鎮痛薬による疾患率や致死率が減少する場合があり、大麻の処方は、非常に有効なハーム・リダクション策であることが考えられる」

11月、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の臨床研究員は、モルヒネやオキシコドンを処方されている被験者が大麻を気化吸入する(vaporize)と、アヘン剤の鎮痛効果が増加することを報告した。研究員は、大麻固有の治療介入が鎮痛薬の摂取量を減少させ、(患者の)副作用を軽減できることが考えられるとした。

詳しい情報は、NORML副理事長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。また、この研究の全文 "Cannabis as an Adjunct to or Substitute for Opiates in the Treatment of Chronic Pain" は、向精神薬ジャーナルに掲載されています。

Source: NORML News
Increased Access To Therapeutic Cannabis Likely To Reduce Patients' Use Of Opiates, Other Addictive Drugs
Thursday, 02 August 2012

翻訳とコメント:bongyo
“百利”あって“一害”無し・・・ではないけど、大麻関連の"実際の"研究発表は、そう思ってしまうほど、つくづく肯定的なものばかりですね。「ダメ。ゼッタイ。」、あらためて大嘘!!!
この運動のお手伝いをする中で、そんなニュースに浮かれると同時に、ほとんどないとはいえ、大麻の否定的な面もしっかり把握することが必要だとも思います。アメリカ2州で合法化された今、だからなおさら、日本でも、まずは大麻の臨床研究の合法化を実現させたいものです!





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