一昨日(19日)、「脳腫瘍を患っている2歳児に父親が秘密裏に医療大麻を投与して完治したとの報告」という翻訳記事と関連動画を掲載しました。
残念ですが、物語の主人公、キャッシーちゃんは、今年11月14日に亡くなったそうです。
大麻報道センターでは、キャッシーちゃんが亡くなった経緯、例えば、脳腫瘍が完治してからも大麻オイルを使い続けていたのかどうか、亡くなった原因はなんだったのか、など、引き続き取材し、「医療大麻の真実」に迫りたいと考えています。
以下に掲載する原稿は、腫瘍内科を専門とする医学博士のフロッガーさんに、先の動画を見て頂いた範囲で、専門家としてどのような感想や印象をお持ちになるか、コメントして頂いたものです。
大麻の医学的な内容に関しては、何かあるといつもDrフロッガーに教えを乞い、お世話になっています。腫瘍内科を専門とする医学博士にご助言頂けること、とても心強く、ありがたく、みなさまにお知らせすると同時に、フロッガーさんに心から感謝申し上げます。引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
参照:Dr. フロッガーのブログ http://blog.goo.ne.jp/dr-frogger
英語の聞き取りが拙いことから、完全に理解できていませんが意見を述べさせて頂きます。間違いや誤解があるかも知れませんがご容赦下さい。字幕等がありましたら頂けるとありがたいです。
このニュースは、小児の脳腫瘍に対するカナビスオイルの有用性についてのものです。
この子の脳腫瘍のタイプは明らかとされていませんでしたが、小児の脳腫瘍で多いのもとしては髄芽腫であり、治療内容からもこの子は髄芽腫なのだろうと思いました。
治療としては手術を行った後に強い抗がん剤治療を行います。
動画を見る限りでは、カナビスオイルは抗癌剤の副作用に対して用いられたということでしょうか?
癌に対するカナビス製剤の有用性としては、抗がん剤に対する吐き気止め、食欲増進などの報告があります。
◆Dr. フロッガーのブログ/医療大麻-適応疾患 癌その他
http://blog.goo.ne.jp/dr-frogger/e/5865e63314377faec80eb7c54429b106
論文等で見ると、効果としては劇的なものとは言えないようですが、他の治療法が上手くいかない場合には試す価値のあるものだと思います。
小児に対する効果というのはあまり一般的ではないと思いますが(動画でもそのように解説されていたと思います。)、ひょっとすると成人よりも効果的なのかも知れません。今後検討の必要な分野であると感じました。
脳腫瘍に対する抗がん効果ということに関しては成人の悪性膠芽腫に対しての報告があります。
◆Dr. フロッガーのブログ/脳腫瘍(神経膠腫)に対するTHCの作用機序についての報告=スペイン研究
http://blog.goo.ne.jp/dr-frogger/e/62c29432e1b010dc5c93591d1ad833da
これは、脳に直接THCを注入するという乱暴なものです。効果があったものの治癒にまでは至っていないようです。
全体的な印象としては、小さい体で小児がんを克服したと言うことはとても胸を打つものがあります。それだけにカナビスオイルの有用性に対して多くを期待したい気持ちになります。
科学的に考えれば、本当の効果を明らかとするには症例を積み重ねる必要があるのだろうと思います。たまたまこの子では上手く行ったと言う可能性はあると思います。
効果が劇的であったということですから、検討の価値がある出来事であると思います。非合法であるがゆえ親がコソコソと行わなければならない状況は不幸なことですから、きちんとした法整備を行い、合法的に投与、臨床研究が行えるようになれば良いと思います。
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