研究報告:THCの効能が低い大麻の気化投与により神経疼痛が軽減

投稿日時 2013-01-26 | カテゴリ: NORML News

2013年1月3日(木)
カリフォルニア州デイヴィス: 疼痛ジャーナル(The Journal of Pain)誌オンライン版で公表された臨床試験データによると、神経疼痛を罹患している被験者において、THC含有率が低い大麻を気化投与すると、疼痛が軽減するという。


カリフォルニア州立大学デイヴィス校医療センターの研究者らはこのたび、伝統治療を受けていながら神経疼痛を患っている人が多数派の被験者39名に対し、二重盲式プラシーボ対照交差研究をおこない、大麻の気化吸入によって得られる鎮痛効力について評価した。被験者はそれぞれ、THCを中程度(3.53%)含有する大麻、低用量(1.29%)含有する大麻、含有しない大麻(プラシーボ(偽薬))のいずれかを吸入。また、それまで受けていたその他の療法は 3 - 4 週間の研究期間中、それまでの日課のとおりに継続した。なお、疼痛緩和が主な結果因子だったが、その評価は、疼痛の度合いについての質問に関する、0(無痛)- 100(最大限に痛い)の100mm視覚的アナログ尺度を使った被験者の回答によりおこなわれた。

報告によると、「THC含有率が中程度の大麻と低い大麻は共に、すでに研究済みの各種神経疼痛疾患に有益な鎮痛薬であることがわかった。プラシーボと比べて、それぞれの大麻を使った治療での疼痛強度が30%低かったことは、統計的に大きな意味を持つ」という。

研究者らは、次のように結論した。「 1.29%と3.53%の大麻の気化吸入は、全ての測定時点において同等の痛覚抑制をもたらした。・・・THCを低用量含有する大麻は、認知面・心理面の副作用を最小限にしつつ患者に大麻を効果的に使用させたいと考える医師も処方するようになるだろう。このことを念頭に見てみると、この研究も、今まさに増えつつある、神経疼痛の治療のための大麻使用を支持する科学論文の1つである。この研究は、気化吸入大麻の効能の追加的なエビデンスになっているだけでなく、低用量(1.29%)の大麻のリスク便益比が良好であることも立証している」

過去の臨床試験では、大麻の吸入により安全かつ効果的にニューロパシー(神経障害:がんやHIV、脊髄損傷、糖尿病、多発性硬化症などの病態に付随する治癒困難な神経疾患)を緩和することがわかっている。また、別の試験データによると、「大麻を吸入するとオピオイドの効果が増加する」ことから、「投与量を減らした、副作用もより少ないオピオイド治療が可能になる」ことがわかっている。

詳しい情報は、NORML副理事長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "Low-dose vaporized cannabis significantly improves neuropathic pain" は、The Journal of Painに掲載されています。

 

Source: NORML News
Study: Vaporized, Low-Potency Cannabis Mitigates Neuropathic Pain
Thursday, 03 January 2013


翻訳とコメント:bongyo
数あるカンナビノイドのうちのどれかに疼痛緩和の効力があるのでしょう。日本もこんな有用な植物の研究を禁止してる場合ではないですよね。





大麻報道センターにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://asayake.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
http://asayake.jp/modules/report/index.php?page=article&storyid=2967