2012年7月12日
フロリダ州オーランド: 大麻の使用は、それが適度なものであろうと過度なものであろうと、それによって認知能力が「永続的な悪影響」を受ける事はない。そのようなメタ分析結果がジャーナル "Experimental and Clinical Psychopharmacology (試験的および臨床的精神薬理学)" に掲載される。
セントラルフロリダ大学心理学部の二人の研究者は、大麻使用が認知機能に対して恒久的な悪影響を及ぼすかどうかについて評価している様々な査読付き論文を精査した。彼らの報告によれば、習慣的な大麻使用は、短時間の陶酔を抜けた後でも神経認知機能に対して一定時間の「若干ではあるが有意な」影響を及ぼす可能性がある。それに対し、少なくとも25日間大麻を自制した被験者らの間には、「大麻使用が持続的に認識能力に影響を与えたと考えられる根拠は何も見出されなかった」と報告している。
研究者らの結論は次の通りである。「我々の仮説の通り、少なくとも25日間の自制を経た大麻使用者を評価するような研究に対するメタ分析からは、認知機能に関する影響に残存が見られないとする発見が得られた。この発見は、大麻の過度な使用により神経心理学的機能が長期的および恒久的な影響を受けるとする仮説への反証となる。」
2011年にジャーナル "Addiction (依存症)" に掲載された臨床試験データにも次のような類似の事実が報告されている。8年以上にわたる大麻使用者および非使用者のうち2,000名を越える被験者を対象に記憶力と知的能力に関する様々な試験を行ったところ、「その両者の間に有意な差は見られなかった。・・・大麻が認知機能に及ぼしたと見られる悪影響は、元から存在している要因に関連したものであるか、もしくは使用期間が長期にわたっていたとしても、これらの被験者の間ではその悪影響は可逆的であったと考えられる。」
より詳しい情報については NORML 副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせ下さい。研究報告の全文は "Residualeffects of cannabis use on neurocognitive performance after prolonged abstinence: A meta-analysis (大麻使用の長期間の節制の後に神経認知能力が受けている持続的影響についてのメタ分析)" の表題でジャーナル"Experimental and Clinical Psychopharmacology" に掲載されます。
Source: NORML NEWS
Study: Cannabis Use Has "No Lasting Residual Effects On Neurocognitive Performance"
Thursday, 12 July 2012
翻訳とコメント:PHO
認知機能とは物事の判断力、記憶力、思考能力などの知的な機能を総合して指す言葉である。大麻を吸うとこれらの能力が恒久的に損なわれる、つまり「バカになったまま一生治らない」というのがこれまで半ば通説となっていたが、今回の発見はこの通説に対して異議を唱えるものだ。実験から得られたデータに対して印象論やプロパガンダが短期的な勝利を収める事は、この世の常である。もしかしたら50年くらいは勝ち続けるかも知れない。しかしどのような印象論を広めようと、またその事にどれほどの労力を注ぎ込み続けようと、データはそれ自身が正しさを証明するものであって、ただそこにあるだけで揺がない。例え長い時間が必要になろうとも最後に笑うのは事実の方だ。
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