大麻ベース薬用エキス(CBME)とは何か?

投稿日時 2013-04-13 | カテゴリ: 海外情報

[編集部注]以下に紹介するのは、米国カリフォルニア州にある非営利の大麻製薬専門メーカー「CBDサイエンス社」からの情報です。社名の通り、同社では精神作用のあるTHCを使わず、CBDのみを利用した薬を作っているそうです。興奮作用のあるTHCは含まれず、鎮静作用のあるCBDのみの大麻ベース薬用エキスは、てんかん発作の症状緩和などに使われているそうです。


大麻ベース薬用エキス(CBME)とは何か?

CBMEは、科学的に生産された『チンキ』です。チンキ(Tincture)という言葉は、ラテン語で、アルコールで作った色付きハーブエキスを意味する「Tinctura」に由来します。
チンキは、消化・吸収に最適な、安定した水溶性の形態で、栄養を摂取するのに最も優れた方法です。

また、通常は熱で失われ、[処理済みの、特に乾燥エキス状にしたものには含まれない、](treated and especially reprocessed dry extracts )揮発性および準揮発性の成分を保有しています。健康上有益な作用を持つこの成分の重要性は、評価しても過ぎることはありません。


チンキは、摂取に都合よく、個人の気質、体質や代謝に応じて調整するのが簡単な、最も安全な大麻製剤の1つです。

健康に良い成分を完全に溶解させることで得られる高い生体利用効率は、チンキの最も有用な特徴の1つです。自然の摂理(加齢、消化器官の機能不全など)により、ビタミンや他の栄養分の体内への吸収が低下した時などには、チンキは特に有効です。

全てではありませんが、ほとんどの大麻チンキは、エタノールを溶剤に使用しています。
アルコールの代わりでは、グリセリン製剤がよく使われます。
私たちの研究からは、グリセリン自体は、THCとCBDの送達媒体にあまり適していないと考えられています。
肝臓に素早く作用するアルコールに対してグリセリンは、消化管に吸収されるまでで30%ほど遅く、肝臓には(『糖新生』経路で知られる)二次的経路を介して作用します。

CBD科学 CBMEとは何か?

(そのようなエキスを作るには)まず、"Safe Cannabis"が認定した、医療グレードのカリフォルニア州北部産「総合プラント」を使います。手順の1つ目は、緻密な脱炭酸化変換です。

抽出に使うのは、有機栽培のぶどうを使った、低アレルゲン、無グルテンの、北部カリフォルニア産、190プルーフ(アルコール度数約95%)中性スピリッツです。
有機ぶどうの中性スピリッツは、大麻の取り込みと同化の両方において、もっとも効果的な媒体であることが分かっています。

「総合プラント」の薬用性を採取するには、最新の有機逆流(organic reflux)抽出処理を使います。え 抽出処理が完了すると、ポテンシー(THC度数)検査研究所に送られます。

研究所での検査結果を基に、抽出エキスを望ましいTHC濃度に精製します(品名"Euphoria"(「強い高揚」) は 10 mg/ml THC含有、"Tranquility"(「平穏」)は 5 mg/ml THC かつ 5 mg/ml CBD、"Healing"(「癒し」)は 1 mg/ml THC かつ 10 mg/ml CBD、 など)。
最後に、香り付けに湧水と蜂蜜、植物成分(botanicals)を加えます。

チンキの送達に使われるのはどのような方法か?

チンキは、「消化」と「舌下経由」というはっきり異なる2つの方法で送達されます。
「消化」での送達は、長期の緩和や強い効果を求める患者に適しています。「舌下経由」の送達は、速効性の緩和とマイルドな効果を要する患者に適しています。

それぞれの送達法でどうなるか?

スプレーやスポイトなどを使って大麻チンキを舌下経由で摂取すると、活性の植物性アルカロイドが粘液系を介して血液系に非常に素早く吸収されます。
残ったアルカロイドは消化器系を介して血液系に吸収されます。この方法は効能が速く得られ、スムーズな、マイルドな効果が2、3時間持続します。

適量を飲むなどして食物消化的に摂取すると、アルカロイドはすべて消化器系を介して血液系に吸収されます。
この方法は舌下経由ほど送達が速くありませんが、着実な、より「ディープ」で長い効果が得られます。

消化器系を介して摂取すると、舌下摂取に比べ、高い向精神効果が得られます。

なぜ、「舌下摂取」よりも「消化器系摂取」がより「ディープ」な効果が得られるか?

チンキは、飲み込まれると、当然胃から小腸を通って血流に溶け込みます(一般的な食物よりも早く吸収されます)。
吸収されると、肝臓を通過します。肝臓では、薬効成分が高い比率で代謝され、他の化学物質に変わります(1)。
その化学物質の1つ、11-hydroxy-THCは、天然のTHCより4、5倍度数が高く(2)、大量に生成されます(3)(4)。
つまり、食物消化的にチンキを投与された患者は、THCと11-hydroxy-THC両方の向精神作用が得られることになるのです。

脚注:
(1) J. Morgan and L. Zimmer, Marijuana Myths, Marijuana Facts: A Review of the Scientific Evidence. The Lindesmith Center. 1997: 18-19.

(2) L. Lemberger et al. 1973. Comparative pharmacology of delta-9-THC and its metabolite 11-0H-Delta-9-THC. Journal of Clinical Investigation 54: 2411-2417 and M. Perez-Reyes et al. 1972. Intravenous injection in man of delta-9-tetrahydrocannabinol and 11-hydroxy-delta-9-tetrahydrocannabinol. Science 177: 633-635 as cited by J. Morgan and L. Zimmer, Marijuana Myths, Marijuana Facts: A Review of the Scientific Evidence.

(3) E. Russo, M.D., Cannabis: from Pariah to Prescription, 2003: page 10.

(4) Ibid; J. Morgan and L. Zimmer, Marijuana Myths, Marijuana Facts: A Review of the Scientific Evidence, 19

Source: CBD Science, LLC
What is a Cannabis Based Medicinal Extract (CBME)?

翻訳:bongyo





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