[編集部注:この原稿は、米国カリフォルニア州で医療大麻の栽培と使用のライセンスを所有し、合法的な医療大麻栽培者として活動している麻生しげるさんの寄稿です。麻生しげるさんが関わっている、重度のてんかんの方に、ご両親がCBDを主成分とする薬の施用を始めたとのこと。ご両親のご了解を頂き、個人情報に触れない範囲で、いま現在カリフォルニアで進行中の大麻寮法について継続的に報告します。]
麻生しげる
一日に5回もてんかん発作を起こしていた私の知り合いの某女性は、CBDの大量投与により、2週間ほどで改善が見られた。なんと、16日間もの間、てんかん発作がピタリと止まったのだ。
CBDはチンキという形で経口摂取(食べ物に混ぜたり、飲み物に混ぜたり)させた。コロラド州の某社が出している、ヘンプ由来のCBDチンキだ。それと併用したのは、うちで栽培している、大麻草の小苗(未熟なプラントの葉や茎や根も含めて)をジュースにしたもので、これにはチンキの約100倍の薬効がつまっている。
CBDをもっとも効果的に摂取しようと思えば、大麻草の生ジュースに勝るものはない。
これをジューサーで青汁のようにして与えてみたのだ。味ははっきり言ってうまいものではない。が、決して飲み辛いものでもない。酩酊作用も全くない。私も時々飲んでいる。
CBD(カンナビジオール)は大麻草の有効性分のひとつで、諸説あるが、このようなカンナビノイドは約400種類から600種類が確認されているそうだ。
そのうち、80種類近くが医学的に特定されており、薬効も次々と明らかになっている。特定の場合に於いては、てんかんの発作を抑制する効果もあることが近年の研究で分っている。そして何より、私たちが間近で目撃した、てんかん発作の抑制が全てを物語っている。
CBDの投与により、体重も増えてきた。これは素晴らしい事だ。この様子だと、夏までには障害者用の乗馬に参加出来るかもしれない。
CBDの素晴らしさは、酩酊作用がないということにつきるだろう。THCとは違い、CBDの摂取により、「ハイ」になることはない。つまり、「ハイ」を求めない患者でも大麻草の薬効を得ることができるのだ。
この某女性の場合、昔は大麻を吸うとてんかん発作が悪化するという現象が起きていた。なので、大麻草での治療は諦めていた矢先にCBDによる治療法にいきついた。まだまだこの先様子を見なければならないが、CBD治療には大いに期待している。
大麻草の酩酊成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)と共に、CBDをも禁止している厚労省の意図がわからない。CBDは確かに大麻の主要な成分ではあるものの、先にも述べた通り、酩酊作用は全くない。マリファナから酩酊作用を引くと、薬効だけが残る。ま、THCを禁止する理由もわからないけどね!THCにだって薬効はあるのだから...
(つづく)
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